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In This Issue:

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Matthew Dillon

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Jordan K. Hubbard

FreeBSDで動くCodaファイルシステム

M. Satyanarayanan

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Dan Benjamin

TCJA の web で子供たちと始めよう

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Oliver Fromme

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Martin Cracauer

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Oliver Fromme

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FreeBSDで動くCodaファイルシステム
M. Satyanarayanan
School of Computer Science, Carnegie Mellon University
訳: 下川 英敏 <simokawa@jp.FreeBSD.org>
Daemon

Coda ファイルシステムが FreeBSD 2.2.5、2.2.6 で利用できるようになったことを FreeBSD コミュニティの皆様に喜びをもってお知らせします。 この最先端の分散ファイルシステムがソースコードの状態で自由に利用できることにより本格的なユーザや開発者を引き付け、その結果このシステムが多方面に拡張される、 ということが我々の願いです。CodaはNetBSDやLinux上でも動くので、 やがてCodaがフリーUNIXが選択する分散ファイルシステムとなることを願っています。

Coda は多重化とモバイルコンピューティングに関する研究のテストベッドとしてカーネギメロン大学で開発された分散ファイルシステムです。 Coda は、Andrew File System (AFS) の子孫として、AFS が大規模な分散ファイルシステムとして人気を集めている、 多くの主要な特徴を受けついでいます。例えば、trusted なサーバと untrasted なクライアントのモデル、位置に関する透過性がありサーバの区別が不要、 ファイル全体をディスク上にキャッシュしたり、 バッファキャッシュにブロックレベルでのキャッシュを行なうなどのクライアント側での積極的なキャッシング、 データを論理的なボリュームの集まりで構成することによって、 容易なシステム管理を実現、保護のためのアクセスリスト・モデル、 ユーザレベルでの実装をめざし、サーバの全体と、クライアントのごく一部分を除いたほとんどの部分をカーネルの外に置く、などです。

それらに加えて、Codaは次世代の有線、無線環境のために独自の機能を提供しています。 例えば、故意や予期せぬネットワークからの切断状況でのオペレーションを支援 (hoarding (キャッシュへのためこみ)、 reintegration (再統合)、conflict-detection (矛盾検出) など)、 モデムから LAN のスピードまで、network の質に動的に適応した、低品質のネットワークでのオペレーションの支援、透過的かつ楽観的な読み書き可能なサーバの複製、 直接的あるいは、アプリケーションごとの conflict (矛盾) 解消の支援。 計画されている Coda の機能拡張としては、性能改善のためのライトバックキャッシュ、 Kerberos による認証の統合などです。 マイクロソフトの次期NT 5.0のファイルシステムの構成要素である IntelliMirror は、 Coda の切断時オペレーションの機能から着想を得たものです。

Daemon

FreeBSD コミュニティの皆さん、フリー UNIX のコミュニティのために、 我々と共に Coda を現状の実験的プロトタイプから、 高品質ですぐれた設計のシステムへと発展させましょう。 この作業の中心人物は Peter Braam <braam@cs.cmu.edu> です。 彼は、カーネギーメロンの Coda プロジェクトの上級研究員です。 他に、 Bob Baron、Henry Pierce、 Robert Watson、Jan Harkes などがカーネギーメロンでこの作業に参加しています。 何年にもわたる Coda の発展に貢献した人々の全リストは長すぎて、ここには書けません。

より詳しいことは、 Coda のウェブページ を御覧ください。 Coda によってもたらされた、研究論文や博士論文を手にいれるには、 "papers" のリンクをたどってください。Codaがどのような境界領域的な 研究の流れで開発されているかを知るには、"Coda project" のリンクを御覧ください。