Q. セカンダリのマスタに FreeBSD を入れたとき、いつも boot: で 1:wd(2,a)/kernel を入力するのは面倒なんですが。 A. セカンダリのマスタに FreeBSD を入れると、起動時は wd2 として認識されて しまうので、最初は "boot:1:wd(2,a)/kernel" というようにオプションをつけ なければ FreeBSD は起動してくれません。 もし boot でオプションをつけずに直接 FreeBSD を起動させようとするな ら、方法は 2 つあります。ひとつ目は [管理番号 85] を参照してくださ い。もう一つの方法としてカーネルの再構築をして FreeBSD の入っている wd2 のドライブを wd1 として認識させる方法があります。 必要な作業は 1. カーネルコンフィグレーションファイルの変更 2. カーネルの再構築 3. デバイスファイルの作成 4. /etc/fstab の変更 5. 再構築したカーネルのインストール です。 FreeBSD 2.2.x-RELEASE では IDE のみのシステムの場合 1台目のディスク(wd0) - プライマリ マスタ (wdc0 drive0) 2台目のディスク(wd1) - プライマリ スレーブ (wdc0 drive1) 3台目のディスク(wd2) - セカンダリ マスタ (wdc1 drive0) 4台目のディスク(wd3) - セカンダリ スレーブ (wdc1 drive1) という対応を前提としています。この対応はカーネルのコンフィグレーション ファイルで変更できます。 例えば セカンダリのマスタに接続されている2台目のハードディスクを 起動ディスクとする ような場合は wd1 に セカンダリマスタ (wdc1 drive0) を対応させる必要があ ります。 注意: 既にインストール済みの場合、デバイスファイルや /etc/fstab の内容は wd2 として作成されていますから、そのまま作り直したカーネルをインス トールして再ブートするとファイルシステムがマウントできなくなって何 もできない状態になってしまうので気をつけて下さい。 1. カーネルコンフィグレーションファイルの変更 コンフィグレーションファイルの controller wdc のセクションを 次のように変更します そのためにはまず (/usr/src)/sys/i386/conf/GENERIC のファイルを 適当な名前でコピーして以下のように一部変更します。 変更箇所は 2,3 箇所。 ------------------------------------------------------------------------- ident MYMACHINE ← 新しく作ったファイル名 ..... config kernel root on wd1 ← "wd0" から "wd1" に変更 .... controller wdc0 at isa? port "IO_WD1" bio irq 14 vector wdintr disk wd0 at wdc0 drive 0 controller wdc1 at isa? port "IO_WD2" bio irq 15 vector wdintr # disk wd2 at wdc1 drive 0 行頭に # を書いて無効化 disk wd1 at wdc1 drive 0 ↑ FreeBSD の入っている wd2 を wd1 に変更 2. カーネルの再構築 このような設定を行なって カーネルの再構築を行ないます。コンフィグレー ションファイルの名前を MYMACHINE とした場合、 # config MYMACHINE # cd ../../compile/MYMACHINE/ # make depend # make ここではまだ再起動をしないで、そのまま次の操作に入ってください。 3. デバイスファイルの作成 wd1 で足りないデバイスファイルを作ります。2 台目のディスクの場合 # cd /dev/dev # sh MAKEDEV wd1s1a 4. /etc/fstab の変更 /etc/fstab の変更を行ないます。 FreeBSD が wd2 としてインストールしたときの /etc/fstab -------------------------------------------------------------------------- /dev/wd2s1b none swap sw 0 0 /dev/wd2a / ufs rw 1 1 /dev/wd2s1f /usr ufs rw 1 1 /dev/wd2s1e /var ufs rw 1 1 proc /proc procfs rw 0 0 /dev/wcd0c /cdrom cd9660 ro,noauto 0 0 -------------------------------------------------------------------------- このファイルの "wd2*" をすべて "wd1*" に変更。 5. 再構築したカーネルのインストール 最後に再構築したカーネルをインストールします。 # cd /usr/src/sys/compile/MYMACHINE # make install 以上の作業を行なった後、再ブートすれば自動的に FreeBSD が起動するでしょ う。
グループ名: boot-config