FreeBSD(98) インストールガイド
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4. インストール

4.4. オプションの設定

メインメニューで「O オプション」を選択し、リターンキーを押してください。 すると、

(図) オプションエディタ

と表示されます。それぞれの項目はチェックボタンになっていて、スペースバーに より ON/OFF を切替えます。各項目の内容は、

NFS secure
NFS サーバが保証されたポートのみを使用する場合に選択してください。
NFS Slow
遅いネットワークで NFS を使用する場合は選択してください。
Debugging
詳細なデバッグ情報を表示します。インストールがうまくいかない時 はこのオプションを選択して、何が起こっているのか確認してください。
Yes to All
全ての対話的質問に Yes を仮定します。
FTP username
FTP を使用してインストールする場合のユーザ名とパスワードを指定します。 匿名 FTP では一般に anonymous または ftp です。
Editor
インストール中に使用するスクリーンエディタを指定します。
Tape Blocksize
テープからインストールする場合にブロックサイズを指定します。
Extract Detail
デバッグ画面での展開の途中経過のレポートの程度を指定します。
Release Name
媒体からロードするリリースを指定します。none とすると異なるリリースを インストールできますがインストール後に動作するとは限りません。
Browser Pkg
HTML 形式のドキュメントを読むためのブラウザ。
Browser Exec
HTML のブラウザとして起動するコマンド名。
Media Type
インストールに使用する媒体のタイプ。
Package Temp
パッケージのインストールの際に使用されるワークディレクトリ。
Package Temp
パッケージ展開の一時ファイルを置くディレクトリ。
Newfs Args
newfs(8) の省略値パラメータ。
Fixit Console
Fixit で使われる tty の選択。
Config save
インストールカーネル config の変更を保存するかどうか。
Re-scan Devices
sysinstall の初期デバイスプローブを再実行する
Use Defaults
全てのオプションの値をスタートアップデフォルトの値にリセットします。

もし、FTP username を選択した場合、

(図) ``ログインするためのユーザ名を入力して下さい:''

と表示されるので、FTP サーバのホスト上でのユーザ名を入力しリターンキーを押 してください。次に、

(図) ``このユーザのためのパスワードを入力して下さい:''

と表示されるので、パスワードを入力してください。

入力したパスワードは「*」文字で画面に表示されますので、注意深く間違えない ように入力してください。

必要なオプションを選択したら q を押してください。するとメインメニューに戻 ります。

4.5. 領域確保

メインメニューに戻ったら「S 標準」、「E 高速」、「C カスタム」、「U アップ グレード」など適切な項目を選択してください。ここでは例として「S 標準」を選 択します。すると、

(図) Message(領域確保)

というように、まず次のメニューの説明が必ず表示されます。リターンキーを押し て先に進みます。

SCSI ディスクが複数台ある場合など、インストール可能なデバイスが複数の場合は

    +--------------------- ドライブを選択して下さい ----------------------+
    | インストレーションを行なうドライブ (複数でもよい) を選択して下さい. |
    | もしあなたがブートパーティションを最初のドライブ以外に置きたい場合  |
    | や, 複数のオペレーティングシステムを一台のマシンにインストールした  |
    | い場合には, ブートマネージャを後でインストールするというオプション  |
    | があります. ドライブを選択するには, 矢印キーでカーソルを対象ディス  |
    | クの上に移動して, [SPACE] を押して下さい. 選択を解除するにはもう一  |
    | 度 [SPACE] を押して下さい.                                          |
    | +-----------------------------------------------------------------+ |
    | |                          [ ] wd0  wd0                           | |
    | |                          [ ] da0  da0                           | |
    | |                          [ ] da1  da1                           | |
    | +-----------------------------------------------------------------+ |
    +---------------------------------------------------------------------+
    |                       [  OK  ]       Cancel                         |
    +-[ F1 を押せばディスクのジオメトリに関する重要な情報を表示します! ]--+

のように表示されます。なお、インストール可能なデバイスが一つしかない場合は、 このメニューは表示されません。(da は SCSI ハードディスクを表し、IDE ハード ディスクは wd になります)。

注意! SCSI デバイスの da の後の数字は SCSI ハードディスクを ID 順に並べた ものになっています。必ずしも SCSI ID と一致しているわけではないので注意し てください。

カーソルキーでインストールしたいデバイスにハイライトバーを移動してスペース バーを押してください。すると、

--------------------------------------------------------------------------------
ディスク名:     da0                                FDISK パーティションエディタ
ディスクジオメトリ: 2931 シリンダ/6 ヘッド/120 セクタ = 2110320 セクタ(1030MB)

開始位置   大きさ(ST)   終了位置     名称 タイプ       種別 副タイプ   フラグ

         0        720        719        -      6    unknown        0
       720      82080      82799    da0s1      2        fat    41248    =
     82800    2027520    2110319        -      6    unknown        0






以下のコマンドがサポートされています (大文字小文字を問いません):

A = ディスク全体を使用  B = 不良ブロック調査   C = スライス作成
D = スライス削除        G = ジオメトリ設定     S = ブート可能に設定
T = タイプを変更        U = 全ての変更を取消   Q = 終了
W = 変更を書き込む

F1 または ? でさらに詳しいヘルプ, 矢印キーで選択.

--------------------------------------------------------------------------------

のようになります。もし、すでに確保された領域があれば表示され「種別」にそれ を利用する OS の種類 (freebsd=FreeBSD(98)、fat=MS-DOS/Windows) が表示され ます。

ディスクジオメトリ:     1328 シリンダ / 8 ヘッド / 34 セクタ = 361216 セクタ

この例ではハードディスクは BIOS 上では 1 トラックあたり 34 セクタで、1 シ リンダあたり 8 トラックで、1328 シリンダ (約 186MB) です。画面に表示されて いるのは領域の確保状況で、この例では領域確保されている部分がありません (フォーマットしただけです。)ここで、'C' と押すと領域確保を行ないます。まず、

            +---------------- 回答を入力して下さい ----------------+
            | 新しい FreeBSD パーティションの名前を入力して下さい. |
            | +--------------------------------------------------+ |
            | |FreeBSD                                           | |
            +-+--------------------------------------------------+-+
            |                [  OK  ]       Cancel                 |
            +------------------------------------------------------+

と表示されます。領域の名前を入力してください。FreeBSD 以外にする理由がなけ れば、そのままリターンキーを押してください。すると、

     +---------------------- 回答を入力して下さい -----------------------+
     | 新しい FreeBSD のパーティションの大きさをブロック数単位, あるいは |
     | 最後に `M' をつけてメガバイト単位で指定して下さい (例: 20M).      |
     | +---------------------------------------------------------------+ |
     | |2026800                                                        | |
     +-+---------------------------------------------------------------+-+
     |                      [  OK  ]       Cancel                        |
     +-------------------------------------------------------------------+

と表示されます。確保する容量またはセクタ数を入力してください。容量で指定す る場合は、'120M' のように、最後に大文字の 'M' をつけてください。値を入力し たらリターンキーを押してください。もし、値を変更せずに、リターンキーを押す と、確保可能な最大の容量を FreeBSD に割り付けます。この例ではそのままリタ ーンキーを押します。すると、画面の領域情報は、

開始位置   大きさ(ST)   終了位置     名称 タイプ       種別 副タイプ   フラグ

         0        720        719        -      6    unknown        0
       720      82080      82799    da0s1      2        fat    41248    =
     82800    2026800    2109599    da0s2      3    freebsd    50324    C=
   2109600        720    2110319        -      6    unknown        0

のようになります。2 行目が今確保した領域です。そのままリターンキーを押した のに Size が小さくなっていて、始めの 272 セクタが未使用のままになっていま すが異常ではありません。PC-9801 シリーズの場合、先頭の 1 シリンダーはハー ドディスク起動メニューや、領域の情報を格納するために予約されています。その ため、8 x 34 = 272 セクタは使用されないのです。(この数字はハードディスクお よびインターフェイスボードにより変化します。)

重要! 同一ドライブ上に NetBSD/pc98 や 386BSD(98) と FreeBSD(98) の領域を 共存させることはできません。

もし、間違えた場合は、消去したい領域にカーソルキーでハイライトバーを移動し、 'D' を押してください。指定した領域が削除されます。(FreeBSD(98) をインスト ールする領域をあらかじめ MS-DOS で確保した場合も、一度 'D' を押してその領 域を削除しておいてください。)

「A = ディスク全体を使用」を押した場合は注意が必要です。次の確認が行われま すが通常のインストールでは Yes を選んでください。No を選んだ場合は FreeBSD は起動できますが、アップグレード時にディスクを認識できなくなるという問題が 起こります。

+------------------------- 確認してください --------------------------+
|正しいパーティションエントリを保持して, このドライブには将来的に他の |
|オペレーティングシステムを同居させる余地を残しますか?                |
+---------------------------------------------------------------------+
|                        [ Yes ]        No                            |
+---------------------------------------------------------------------+

これで問題がなければ 'Q' を押してください。HD 起動メニューの選択画面となり ます。

現在の HD 起動メニューを変更しない場合は「N 無視」を選択してください。

(図) HD 起動メニューの選択

HD 起動メニューの選択が終れば、ドライブ選択のメニューに戻ります。

        [X] da0  da0
        [ ] da1  da1

もし、FreeBSD(98) を、既存の FreeBSD(98) あるいは MS-DOS の領域からインス トールしたい場合は、その領域のあるディスクも選択しておいてください。このと き、FDISK パーティションエディタでは、確認するだけで変更する必要はありませ ん。「名称」の項目を確認しておいてください。

重要! 一旦確保した領域をインストール後に変更するのは不可能です。十分注意 して設定してください。

4.6. ディスクラベルの設定

つぎに、確保した領域をさらにパーティションに分割します。領域を確保したら、

(図) ディスクラベルの設定`` Message''

という説明の後に

(図) FreeBSD ディスクラベルエディタ

と表示されます。ここでは、FreeBSD(98) の領域をさらにどのようなパーティショ ンに分割するかを指定します。もし、既存の FreeBSD(98) または、MS-DOS の領域 が含まれている場合は、すでに表示されています。

この例では、何もインストールされていないドライブについて説明します。

最も簡単なのは A でインストーラに計算させる方法です。 今回の例ではインストーラは以下のようなパーティションに分割します。

区画      マウント位置    容量 Newfs  区画      マウント位置    容量 Newfs
----      ------------    ---- -----  ----      ------------    ---- -----
da0s1     <none>          40MB DOS
da0s2a    /               80MB UFS Y
da0s2b    swap            32MB SWAP
da0s2e    /usr           140MB UFS Y
da0s2f    /var           200MB UFS Y
da0s2g    /dskg          537MB UFS Y

必ず必要なパーティションは a パーティションで、ここに、カーネルや、最低限 必要なバイナリや設定ファイルなどをおきます。さらに、'b パーティション' と いうスワップ領域を設定する必要があります。実際には a パーティションはあま り大きくせず、残りを別なパーティションに割り当てます。また、スワップパーテ ィションは複数のドライブに設けることが可能です。

もしインストーラが決定したパーティション構成が気に入らなければ C で一つず つパーティションを作成して行きます。

重要! 一旦割り付けたパーティションをインストール後に変更するのは不可能で す。十分注意して内容を決めてください。

警告! Newfs の項目が 'Y' になっているパーティションは、一度内容を全部消去 します。もし、既存のパーティションを表していて、その内容を消去されると困る 場合は、'T' をおして Newfs のところが 'N' になるようにしてください。

重要! もし、既存の FreeBSD(98) の領域からインストールする場合、該当する領 域を表す部分にハイライトバーを移動させ、'M' をおしてマウントポイントを指定 してください。このマウントポイントは後でインストールするメディアの選択の時 に入力するので忘れないようにして下さい。また、そのような領域に対して 'Newfs' を実行すると中身が全部消去されてしまうので、もし、'Newfs' の部分が 'N' でなければ、'T' を押して表示が 'N' になるようにして下さい。

重要! FreeBSD(98) 2.X からのバージョンアップの場合は、かならずルートファ イルシステムに対して Newfs を実行してください。もし、Newfs を実行しない場 合、FreeBSD(98) を起動することはできません。

注意! FreeBSD(98) 移植チームは、旧バージョンからの上書きアップデートを行 なわず、DOS パーティションやデータ領域を除くすべてのファイルシステムに対し て Newfs を実行することを推奨します。


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$Date: 2002/02/20 16:00:25 $