2. 入手方法と使い方 (FreeBSD 2.2 時代の情報です)

2.1 概要

ここではまず日本語マニュアル関連コマンド群のインストール方法と使い方を示し、 次に日本語マニュアルのインストール方法を説明します。

2.2 日本語マニュアル関連コマンド群

日本語 man コマンド関係をインストールする port は ja-man-1.1i です。
基本的に次のように実行することで、 日本語マニュアル関連コマンド群をインストールすることができます (FreeBSD 2.2 以降のみ。 2.2 より前の FreeBSD では少々手順が異なります):

	# cd /usr/ports/japanese/man
	# make install
  

なお、ja-man-1.1h 以降は LC_CTYPE に設定されている言語情報を基に 適切なマニュアルを選択しますので、 日本語マニュアルを扱うためには LC_CTYPE もしくは LANG を ja_JP.EUC や ja_JP.SJIS に設定 *注1*して各コマンドを 実行することが必要です。 (日本語表示可能な端末 (kterm など) は適宜 FreeBSD QandA 等を参照して設定しておいてください。)

以下では ja_JP.EUC または ja_JP.SJIS が設定されているときの動作について説明します。

2.2.1 使い方および特徴

  1. 日本語 man コマンド jman
    日本語 man コマンド jman は ユーザの MANPATH を見て日本語マニュアルがインストールされていればそちらを、 インストールされていなければオリジナルの man ドキュメント(英文)を表示します。 MANPATH が設定されていなければ jmanpath を使い、検索するパスを決めます。
    例えば、次のような場合:
    	% jmanpath -q
    	/usr/share/man:/usr/local/man:/usr/X11R6/man
    
      
    まず日本語マニュアルのディレクトリである
            /usr/share/man/ja
            /usr/local/man/ja
    	/usr/X11R6/man/ja
      
    がまず検索され、次いで
            /usr/share/man
            /usr/local/man
    	/usr/X11R6/man
      
    が検索されます (以前は日本語マニュアルは ja_JP.EUC サブディレクトリに置かれていました。 最近では日本語マニュアルは ja サブディレクトリに置かれるようになりました。 これにともない、ja-man-1.1f では ja サブディレクトリを検索するようになりましたが、 バックワードコンパチビリティのため、ja_JP.EUC (LC_CTYPE の指定内容) も検索します)
    オリジナル man コマンドと同じ振舞いをしてほしい場合は、 jman で追加された拡張機能を -o オプションで抑制できます (-o オプションは jman コマンドで新規導入されました)。
  2. 日本語 whatis データベース
    日本語の whatis データベースを jmakewhatis で作ることができます。 日本語マニュアルページを含めたキーワードは、jwhatis および japropos で検索できます。検索順序は常に 日本語 whatis データベースが優先します。 ロケール名が ja_JP.EUC の場合、デフォルトの対象ディレクトリが /usr/share/man/{ja_JP.EUC, ja_JP, ja} になりました (ja-man-1.1h より前のデフォルトは /usr/local/man/ja_JP.EUC でした)。
  3. 日本語 catman コマンド jcatman
    日本語 man ドキュメントの cat* ファイルを jcatman で作成できます。 ロケール名が ja_JP.EUC の場合、デフォルトの対象ディレクトリが /usr/share/man/{ja_JP.EUC, ja_JP, ja} になりました (ja-man-1.1h より前のデフォルトは /usr/local/man/ja_JP.EUC でした)。

2.2.2 インストール可能な FreeBSD のリリースバージョン

1998 年 1 月 11 日現在、 2.1.5-RELEASE, 2.2.1-RELEASE, 2.2.2-RELEASE, 2.2.5-RELEASE で インストール可能なことが確認されています。 おそらく 2.1.7.1-RELEASE, 3.0 でもインストール可能だと思います。

2.2.3 インストールの手順

日本語マニュアルページ及び関連コマンド群は、 日本語 groff および日本語 less が必要 です。 日本語 man と同じく port および package の両方が提供されていますので、 先にインストールしておいて下さい。 日本語 groff がインストールされている場合でも、 古い日本語 groff には問題が有ります ので、なるべく最新の groff をインストールしてください。 以下から取得できます。

以下に日本語マニュアルページ及び関連コマンド群インストールの 手順を書きますが、ports について知らない方も対象にしてますので 御存知の方は適宜読み飛ばしてください。 また、ftp.FreeBSD.org には package も用意しておりますので、 ぜひご利用ください (2002 年 3 月現在では、FreeBSD 2.2 系列の package は インターネット上に公開されていないようです)。

2.2.3.1 package を使う

2.2.6-RELEASE を例に説明します。

これでおしまいです。とっても簡単ですね。
インストールが済んだらまず jman, jmanpath, jwhatis, japropos, jcatman, jmakewhatis のマニュアルを jman で読んでください。 その際には LC_CTYPE (または LANG) を ja_JP.EUC (SJIS 端末の場合には ja_JP.SJIS) に設定して下さい。 また PAGER 環境変数が more に設定されている場合は jless に設定して下さい。 jless は日本語表示可能なページャですが、more は正しく日本語表示できません。

	使っているシェルが csh, tcsh の場合:
	% setenv LC_CTYPE ja_JP.EUC
	% setenv PAGER jless
	% jman jman

	使っているシェルが sh, bash, ksh, zsh の場合:
	$ export LC_CTYPE=ja_JP.EUC
	$ export PAGER=jless
	$ jman jman
  

2.2.3.2 port を使う

  1. port 環境を作る
    port 環境を持っていない方は、 まず port でインストールする環境を作ります。
      	# mkdir -p /usr/ports/japanese
      	# mkdir -p /usr/ports/distfiles
      	# mkdir -p /usr/ports/packages
        
  2. 必要なファイルを入手する
    port ja-man-1.1i を ftp.FreeBSD.org およびそのミラーサイトから入手してください。
    例えば、以下から入手できます。
  3. port を展開する
    	# cd /usr/ports/japanese
    	# tar zxf man.tar.gz
    	(fetch 等で man.tar.gz を取得した場合は、次の行の mv は不要です)
    	# mv pub/FreeBSD/FreeBSD-current/ports/japanese/man .
        
    としてください。
  4. 手っ取り早くインストールするには
    	env: /usr/ports/japanese/man/pkg/INSTALL: Permission denied
          
    というエラーが出る場合には、 /usr/share/mk/bsd.port.mk を新しくしてから、 インストールしなおして下さい(2.1.7.1-RELEASE をご使用の場合は Branch: RELENG_2_1 の最新を選ぶ等、 適切な Branch のものを選択してください)。
  5. package を作成してインストールするには
    port の相互依存関係をちゃんとデータベースに登録して インストールしたい場合には package を一旦作ってインストールしてください。 その際、/usr/ports/japanese/groff および /usr/ports/japanese/less 以下の port が無いと、依存関係を正しく作成できませんので、 /usr/ports/japanese/groff および /usr/ports/japanese/less も入手して下さい。
    	env: /usr/ports/japanese/man/pkg/INSTALL: Permission denied
        
    というエラーが出る場合には、 /usr/share/mk/bsd.port.mk を新しくしてから、 インストールしなおして下さい (2.1.7.1-RELEASE をご使用の場合は Branch: RELENG_2_1 の最新を選ぶ等、 適切な Branch のものを選択してください)。
  6. インストールが済んだら
    まず jman, jmanpath, jwhatis, japropos, jcatman, jmakewhatis のマニュアルを jman で読んでください。 その際には LC_CTYPE (または LANG) を ja_JP.EUC (SJIS 端末の場合には ja_JP.SJIS) に設定して下さい。 また PAGER 環境変数が more に設定されている場合は jless に設定して下さい。 jless は日本語表示可能なページャですが、more は正しく日本語表示できません。
    	使っているシェルが csh, tcsh の場合:
    	% setenv LC_CTYPE ja_JP.EUC
    	% setenv PAGER jless
    	% jman jman
    
    	使っているシェルが sh, bash, ksh, zsh の場合:
    	$ export LC_CTYPE=ja_JP.EUC
    	$ export PAGER=jless
    	$ jman jman
        

2.3 日本語マニュアル

3.0-RELEASE 以前では、pacakge を入手し pkg_add してください。

2.3.1 package の入手

A. ソフトウェア取得 を参照してください。

2.3.2 package のインストール

例えば次のようにします (この例は 2.2.6-RELEASE 用日本語マニュアルです):

	# pkg_add ja-man-doc-2.2.tgz
  

インストール先は次のようになります:


*注1* locale に関わる環境変数について
LC_ALL=ja_JP.EUC を設定してもかまいませんが、 環境変数 LC_ALL は、LANG, LC_CTYPE を上書き設定するため、現状では LC_ALL を設定すると、環境変数 LC_TIME, LC_CTYPE に異なる言語を指定して も無効となり、特定のコマンド(date, last 等)の出力を参照している プログラムが間違った動作をする危険があります。 詳しくは setlocale(3), rune(3), euc(4) のマニュアルを参照してください。


このページの最終更新日 $Date: 2003/03/24 03:50:56 $
Copyright (C) 1997, 1998, 1999, 2002, 2003 Jpman Project All Rights Reserved.
連絡先: man-jp@jp.FreeBSD.org