SNAPSHOTs Notes: 2002 年 3 月 31 日

はじめに

今週も 5.0-DP1 まわりの作業が進んでいます.特に今週は, ports 回りの話題が多かったようです.ports-jp@jp.FreeBSD.org でも, 日本語まわりの ports について作業をしよう,という呼びかけがでていました. ports まわりといえば,ports/Tools/scripts/release 以下に release distribution を作成する時に使う package 関連ツール, が commit されたのも今週でした.

結局 5.0-DP1 は明日でるのかどうなのか,現状ではよくわからない状態, ではありますが,今週も SNAPSHOTs Notes は続きます.

最近の 5-current

sos 氏による ATA RAID 回りの作業がさらに進んでいます. 今回の修正によって,ATA RAID の create/delete が可能となっており, sos 氏によると「これで ATA RAID support は完了」ということらしい,です. 早々に MFC もされていますので,現在の 4-stable もこの恩恵にあずかれるはず, です.

今回の作業は,commitlog によると Advanis 社から支援を受けていたようです. この種の「サポートがあって code が進む」というのは,OpenPAM や TrustedBSD など,最近良くみられるようになっている気がします.

Security Advisories

今週も(?) SA が 1 つでています.対象は ports/www/squid24,つまり Squid 2.4 です.SA によると, squid が出した DNS 問いあわせに対する返事の際に, 細工したデータを使うことによって,buffer overflow を起こさせることができる, という類のもののようです.

ports からインストールしている場合, 今年 3 月 22 日以降のバージョン 2.4_9 以降であれば問題は修正されている, と SA には書かれています.該当バージョン以前を使われている方は, 適宜対策をするのが良いのではないかと思います.

最近の SNAPSHOTs Project

今週はめずらしく(?)あれこれ変更が多かった週だったと思います. 以下,今週の動きについて書いてみます.

4-stable CD-ROM でインストールできなかった問題の修正

ここ最近(3 月中旬ころ以降)の snapshots.jp.FreeBSD.org で作成された 4-stable CD-ROM で,「ブートはするのにインストールが出来ない」 という報告が複数報告されてきました.複数出ているのはおかしい, ということで調べてみると,すぐに「最近の ATA 回りの MFC かかった後は, MAKEDEV を使って ATAPI CD-ROM の device を作りなおさないと, うまく使えない」という話題が stable@FreeBSD.org に出ていることがわかりました.

実際,src/etc/MAKEDEV 等を見ると,/dev/acdXc は /dev/acdXa への symlink とするように,最近の 4-stable では修正されています. が,インストール時はこの種のデバイスを sysinstall が動的に作成するため, 間違った device file を作成してしまっていたのが問題,だったようです. この問題は既に修正してしまいましたので, 4.5-STABLE-20020401-JPSNAP 以降であれば大丈夫ではないかと思われます.

kernel 版 FreeBSD tour の入口(?)変更

最近 current@FreeBSD.org で FreeBSD Source Code Tour が紹介されました (うれしいことです).この紹介があった流れで「kernel のページは, 最初に表示されているのは mi_startup() のほうが良いんじゃないの?」 という指摘がありました.確かに kernel 内部では main() からではなく mi_startup() から実行されますので,変更するようにして書きかえています. GLOBAL 附属のツール自体を直接書きかえていますので, この修正(最初のページに出す関数名を選べるようにする)は GLOBAL 開発元へ feedback する予定です.

Commitlogs 不具合の修正

snapshots.jp.FreeBSD.org で提供している web サービスの 1 つに, あまり知られてはいませんが,「CVS commitlog を数時間単位でまとめて, 一覧の形にしたテキストファイルを提供する」ものがあります. CVS リポジトリからだけではなく,CVSup した結果から変更ファイルを検出するため, repocopy が発生した事実もちゃんと把握できる,という特徴があります. しかし,これを生成するスクリプト(web に置いてあります)である check-commitlogs にはバグがアリ,一部のファイル名が表示されないという問題がありました.

今週,buildadm@jp.FreeBSD.org あてに(日本人の方から)メールがあり, このバグを修正するための patch を提供していただきました. 確認して問題なさそうなことがわかりましたので,さっそく採用しました. 現在生成している物については,このバグがなくなっているはず,です.

もっと時間があれば,現在の 5-current が抱えている「fixit.flp があふれて作成できない」問題を, SNAPSHOTs Project の資源を使って修正できたはずなのですが, これは来週にもちこし,になってしまいました.ちょっと残念です.

次回にむけて

来月からは 4 月,日本では新年度ですが,FreeBSD ではやはり 5.0-DP1 の話題がいちばん大きいのかなぁという気がします. 今週は,予定よりもちょっと長くなってしまいました.


Appendix


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$Date: 2002/03/31 14:59:09 $