SNAPSHOTs Notes: 2002 年 3 月 24 日

はじめに

今週は,5-current 方面で大量の code cleanup が発生していました. __P マクロの消去,register 予約語の消去などの作業が kernel はもちろん userland 側でも起きていました.機能変更ではありませんが, この種の変更も将来のためには必要なのでしょう. 5-current といえば,そろそろ 5.0-DP1 にむけて詰めの作業が行われているようです. まだ一部の packages 作成に失敗しているらしく, もうちょっと作業が必要な雰囲気もあります.

4-stable では ATA 回りの MFC がはいったりしたのを除くと, そう大きな変更はなかったんじゃないのかなぁという気がする, 今週の SNAPSHOTs Notes,です.

SNAPSHOTs Project からのおしらせ

今回はおしらせ 2 つ,です.

まず 1 つめ.2002 年 3 月 16 日頃から起きていた snapshots.jp.FreeBSD.org のトラブルは,3 月 19 日夕方頃に復旧しました.ご迷惑をおかけしました.

そして 2 つめ.4.5-RELEASE に対して, 既存の security patch 等がすでにあてられている RELENG_4_5 ブランチを使い, 「パッチがすでにあたった状態」の 4.5-RELEASE,現時点では 4.5-RELEASE-p2 の distribution を作成しました(ただし i386 のみ).具体的には, 以下のような物になります.

今後,その時点における最新のリリース版を対象にして,security patch があたった後の distribution を作成していくようにしようと考えています.

Security Advisories

先週から話題となっていた,zlib の問題は,FreeBSD-SA-02:18 として SA が出されました.zlib double-free という名前にもある通り, 同じ領域に対して free を 2 回実行しちゃうことに問題がある(らしい)のですが, FreeBSD の malloc 実装である phkmalloc には,「free を 2 回実行する」 こと自体には問題がない,ということが作者によって指摘されています.

と,いうことだけを信用すると FreeBSD では問題が起きないということになりますが, zlib 自身に問題があることは事実です.というわけで,FreeBSD の zlib な code は現時点では修正されています.

ただ,問題が修正され SA が出た後に, zlib を使うアプリケーションで挙動がおかしいとかいう話題も出ているようですし, zlib の code 自体も多少変更が加えられているようです. zlib を使っているアプリケーションに大量にありますし, 問題が落ちつくまでにはまだまだ時間がかかるのかもしれません.

FreeBSD のつくりかた

FreeBSD の distribution の作り方については, これまであまり解説が少なかったのですが,最近 release(7) という manpage が書かれつつあります.最近の 5-current はもちろん, 最初の版は 4-stable にも MFC されています. 非常におおざっぱではありますが,自分で distribution を作ってみようと思っている方は,これを読むと非常に参考になるのではないか, と思います.

次回にむけて

5-current では,今週も gcc 2.95.4, binutils 1.12, OpenSSH 3.1, ipfilter 3.4.25 など,主要なツールがどんどん更新かかっています.binutils はともかく, 他の 3 つについては 4.6-RELEASE までには MFC かかりそうな気がします. 次回は 5.0-DP1 リリース直前,なのでこの辺の話がぞくぞくと出てくるのかなぁ, という気はします.


Appendix


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$Date: 2002/03/24 12:32:26 $