SNAPSHOTs Notes: 2002 年 3 月 3 日

はじめに

ここ最近 5-current の build が成功していません.原因はさまざまで, lukemftpd まわりだったり型定義の問題だったり,dhclient だったりしたのですが, 現時点ではこれらの問題は全部直っているはず,です. おそらく 5.0-CURRENT-20020303-JPSNAP はうまく build できるのではないか, と思っています.これがうまくいけば 12 日ぶり,です. でも,今週最初の話は 4-stable から.

locale 回りの MFC

本 SNAPSHOTs Notes の 2002 年 1 月 13 日付けで書いていた, 日本語を始めとする EUC locale 回りに関する話の続き,になります. 4.5-RELEASE 直前に backout されたいたこの修正が,今週改めて 4-stable に MFC されました.これに先立って,tcsh の locale まわりの code が修正されており,ja_JP.EUC ではなく ja_JP.eucJP にしても, 正しく日本字でメッセージを出すなどができるようになっています.

また,LC_NUMERIC, LC_MONETARY, LC_MESSAGES の 3 つについても, MFC 作業が今週からはじまっています.現時点では data file だけがはいった状態になっています.

ports では,まだ日本語 EUC ロケール名が ja_JP.EUC だと思っている物があるようです.これらの修正については, おそらく ports-jp のメーリングリスト等で話題が出るのではないか, と思われます.すでに 1 月の時点で話は出ていますが,これから 4.6-RELEASE に向けてさらに作業がすすむのかもしれません.

core statement on P4 and IRC

過去あちこちのメーリングリストにて,P4 (perforce) と IRC について,あれこれ議論が起きていましたが,これら 2 つの話について, 先週 core team から声明が出されました.

FreeBSD の開発で P4 を利用することについて

まずは P4 から.P4 は商用の SCM (Software Configuration Management) ツールです.現在この種のツールとして FreeBSD は CVS を採用していますが, CVS の持つさまざまな問題点を解決するために,CVS を捨て, P4 にするのはどうか,という話題がありました.また,KSE の開発など, 一部の開発者は P4 を使って自分のコード管理をしている,という事実もあります.

これに対する core の意見は,おおまかにいうと 「個人がその種のツールを便利に使っている,ということは認識しているが, 現時点では,CVS を別のツールにおきかえる使うようにすることは考えていない」 という感じ,です.

開発者相互の連絡に IRC を利用することについて

もう 1 つは IRC の話,です.一部の開発者の間で,IRC を利用して議論を行い, その結果他の(議論に参加するのが望ましかった)開発者が認識できないうちに, 物事が進んでしまった,という事実がありました.先の Developers Summit の際にも,会場内で IRC による別の議論が走っていたことに対して, 非難が起きていました.

これに対する core の意見は,おおまかにいうと 「IRC は mailing list を補完するもの.もし重要な決定を IRC で行ったのなら, その結果を適切な list に mail して,多くの人へ見えるようにし, その後さらなる議論が行えるようにしましょう」という感じです.

どちらの話題についても,core team の声明は非常に妥当な意見ではないか, という気はします.また,この種のもめごとが起きた際に対して,core team が比較的適切なタイミングで声明が出せているということも, また良いことのような気がします.

次回にむけて

個人的なことですが,先週,東京近郊に在住の方と, 上野にてしゃぶしゃぶを食べるあつまり(?)に参加させてもらいました. 普段はまったく顔をあわせることがない方々ではありますが, やはり直接お話していろんな情報交換なりうだ話したり,というのは良いこと, だというのを実感して戻ってきました.機会があれば,例えば FreeBSD 関連のユーザグループなどについても話を書いてみたいと思います.


Appendix


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$Date: 2002/03/02 12:51:04 $