FreeBSD(98) 3.5R-Rev01 --- リリースノート 日付: 平成12年(2000年)07月11日 (火) FreeBSD(98) 3.5R-RELEASE は、IBM-AT 互換機 PC 用の FreeBSD 3.5-RELEASE を NEC PC-9801/PC-9821 やその互換機に移植したものです。 FreeBSD(98) 移植チームでは、できる限りオリジナルに近いものにすることを基本 コンセプトにして移植を行なってきました。しかし、IBM-AT 互換機 PC と PC98 では、ハードウェアの仕様が根本的に異なっている部分があり、部分的にオリジナ ルと異なっている箇所があります。 FreeBSD(98) 3.5R-RELEASE は、FreeBSD 3.5-RELEASE の配布パッケージ + 98 用 ファイル群という構成になっています。98 用ファイル群には、実行ファイルのほ か FreeBSD(98) で変更したソースファイルや、98 用のドキュメントが含まれてい ます。98 用のドキュメントは FreeBSD(98) 固有の事項の解説が中心になっている ので、IBM-AT 互換機 PC 用のドキュメントも必要に応じて参照してください。 従来、FreeBSD(98) のリリースは FreeBSD(98) 2.2.XR-ALPHA, 2.2.XR-BETA, 2.2.XR-RELEASE と版数をふってきましたが、ALPHA, BETA などが厳密な意味を持 たなくなって来た事から、2.2.5R より ALPHA, BATA の版数は取り止め、Rev01, Rev02 と版数をふるように改めました。 サポートするハードウェアに関しては Hardwa98.txt を御覧ください。「メーリン グリスト」「バグレポート、提案、コードの提供」「動作報告」「移植チームへの 連絡先」に関しては About98.txt を御覧ください。 1. 3.4R-Rev01 からの 98 版での変更点 ------------------------------------ ・ベースが 3.5-RELEASE になりました。 ・3.4R-Rev01 の Errata.98 03 版までで判明しているバグが修正済です。 o PC-9801NS/A で ppc(lpt) ドライバを有効にしていると起動時にリセットがか かるという問題を修正。 o IEEE STD 1284 対応でないマシンにおいて、GENERIC98 カーネルでは印刷がで きないという問題を修正。 o options "LINE30" を指定したカーネルでも、"vidcontrol PC98_80x30" コマン ドでエラーが発生し、30 行モードへの切り替えができないという問題を修正。 <既知の問題> ・IBM BlueLightning を使った CPU アクセラレータで FPU を切り放さないと panic するという報告があります。 ・PC-9821Xa10 で ELECOM LD-PCI2TS の LAN ケーブルを接続した状態だと内蔵 IDE HD を 認識しないことがあるという報告があります。 ・内蔵 HD を取り外した PC-9801BX2 で内蔵 ATAPI CD-ROM を認識しないという報 告があります。 <以下は機能が低下した項目です> ・CAM 化に伴い、SCSI 1 の装置については正しく認識されない場合があります。 ・UFS MO, PDS からのインストールは od ドライバを組み込んでいませんので、サ ポートしていません。 ・MO, PDS 用の od ドライバは非公式パッチとなっています。必要な場合は tools98 配布ディレクトリの unoff.patch-3.5/od-kernel.diff.gz をカーネル に当ててください。 od ドライバが無くても da ドライバで読み書きできるはずになっていますが、 うまく動作しない場合があります。 ・インストールが 4M バイトのメモリでインストールできなくなりました。7.6M ではインストールできたとの報告があります。 <注意事項> なお、次の点に注意して下さい。 ・3.2R-Rev01 より新たにサポートされた FD フォーマットのうち、 1.44/1.2/720/640/1.23 以外は、使用ドライブとの相性により、必ずしも使用で きるとは限りません。 ・3.2R-Rev01 以降と、それ以前のバージョンとでは FD のデバイスファイル名と minor 番号の対応が変わるため、インストーラでのクリーンインストール以外の 方法 (make world でのバージョンアップ等) の場合、fd デバイスについて必ず 3.5R 用の MAKEDEV をファイルを取り出した後、デバイスファイル名を再作成し て下さい。 例) # cd /dev; ./MAKEDEV fd0 fd1 問題となるのは、3.1R 以前のシステムで 1) ソースから FreeBSD(98) 3.5R を (make world で)バージョンアップする場合と、2) 1.44MB フロッピーディスク を使った「アップグレード」モードでインストールする場合です。この場合 1.2MB(2HC) FD を使えば問題ありません。 または次のシェル手続きを /dev/ で実行してからフロッピーディスクを使った インストールを行えばだいじょうぶです。 #!/bin/sh mknod() { rm -f "$1" || exit 1 /sbin/mknod "$@" || die 2 "/sbin/mknod $@ failed" chown root.wheel "$1" || exit 1 } name=fd; blk=2; chr=9 for unit in 0 1 do mknod ${name}${unit}.1440 b $blk `expr $unit '*' 64 + 3` mknod r${name}${unit}.1440 c $chr `expr $unit '*' 64 + 3` mknod ${name}${unit}.1232 b $blk `expr $unit '*' 64 + 10` mknod r${name}${unit}.1232 c $chr `expr $unit '*' 64 + 10` done 参考までに、MAKEDEV 後のデバイスファイル名および minor 番号の対応は以下 のようになります。 minor devname secsiz sec/trk track size FDD aka 0 fd? (fd?.1200と同じ) 1 fd?.1720 512 21 164 1722K 3mode DMF 2 fd?.1480 512 18 164 1476K 3mode 3 fd?.1440 512 18 160 1440K 3mode 2HD 1.44 4 fd?.1200 512 15 160 1200K 2mode 2HC 5 fd?.820 512 10 164 820K 2mode 6 fd?.800 512 10 160 800K 2mode 7 fd?.720 512 9 160 720K 2mode 2DD 8 fd?.360 512 9 80 360K 2mode 9 fd?.640 512 8 160 640K 2mode 2DD 640 10 fd?.1232 1024 8 154 1232K 2mode 2HD 1.23 11 fd?.1280 1024 8 160 1280K 2mode 12 fd?.1476 1024 9 164 1476K 2mode 2HS 1.48 ・SCSI HDD の場合、FreeBSD(98) 2.2.X からバージョンアップする場合は次のい ずれかの方法を行わなければ FreeBSD(98) を起動できません。 (1) / (ルートファイルシステム) に newfs を実行する。方法は Instal98.txt を参照してください。(2) SCSI の使用しているデバイス名 [r]sd0s1a 等に対し て(同じメジャー、マイナー番号で) [r]da0s1a 等を作成するか ln [r]sd0s1a [r]da0s1a を行うことでバージョンアップできます。全てのスライスのロウデバ イス、ブロックデバイスに対して行ってください。 newfs を行う場合は必要なファイルは前もってバックアップしておいてください。 ・3.3R-Rev01 から jcatman 配布ファイルでインストールされるマニュアルのディ レクトリを変更しました。従来 /usr/share/man/cat[15678] だったのですが、 /usr/share/man/ja/cat[15678] になりました。アップグレードモード時、古い ファイルが残ったままになりますので、必要なら消してください。 2. 再配布および使用の条件 ------------------------- FreeBSD(98) 3.5R-RELEASE のうち、IBM-AT 互換機 PC 用の部分に関しては、オ リジナルの条件にしたがって下さい。また、98 用ファイル群については、 Copyright98.txt というファイルに書いてあります。本ソフトウェアーを複製し、使用または配布す る前に必ず読んでください。ただし、下記の 98 用ファイル群の中には、一部、 Copyright98.txt が適用されないものが含まれています。ソースコードは個々のフ ァイルに条件が記載されています。ほとんどはバークレースタイルのライセンスが 適用され、ライセンス条項の範囲内で自由に使用し、再配布することが可能です。 Copyright98.txt の内容もバークレースタイルのライセンスに類似したものになっ ています。また、一部には、GNU General Public License (GPL) や、GNU Library Public License (GLPL) が適用されます。 3. 98 用ファイル群の構成 ------------------------ 98 用ファイル群は以下のファイルで構成されています。 <ドキュメント>(*) 98readme/ ディレクトリ名 このディレクトリのファイルは SJIS コードで作成されています。 READ1ST.txt 始めに読んで下さい。まだ読んでいない方はすぐに読ん で下さい。 About98.txt FreeBSD(98) について Copyright98.txt 著作権表示。使用、配布の前に必ず読んで下さい。 Develp98.txt FreeBSD(98) の開発について Errata98.txt リリース後の障害情報 Hardwa98.txt サポートされているハードウェアに関する情報 Instal98.txt FreeBSD(98) をインストールする方法 README98.txt リリース案内 REPORT98.txt 動作報告書 Relnot98.txt リリースノート(このドキュメント) System98.txt 動作が確認されたデバイス Thanks98.txt FreeBSD(98) を開発/援助した人への謝辞 Troubl98.txt 問題のあるハードウェア/ソフトウェアに関する情報 <フロッピーディスクイメージ>(*) floppy98/ ディレクトリ名 kern.flp 標準インストール用ブートディスクのイメージファイル kernide2.flp ATAPI CD-ROM がある機種で2台目以降の IDE ディスク にインストールするためのブートディスクのイメージフ ァイル kernide4.flp 2台目以降の IDE ディスクにインストールするための ブートディスクのイメージファイル kernuide.flp UIDE-98 を使用した機種の IDE ディスクにインストー ルするためのブートディスクのイメージファイル mfsroot.flp 標準メモリファイルシステムルートイメージファイル イル <バイナリ差分>(*) 98bin/98bin.?? 98 用に変更したバイナリーファイル 98bin/ide2.tgz APATI CD-ROM がある機種で2台目以降の IDE ディスク を認識するカーネルファイル 98bin/ide4.tgz 2台目以降の IDE ディスクを認識するカーネルファイ ル 98bin/uide.tgz UIDE-98 を使用した機種の IDE ディスクを認識するカ ーネルファイル (*) 98doc/98doc.?? FreeBSD(98)ドキュメント(内容は古い) <カーネルソース差分>(*) 98src/* 98 用カーネルソースおよび 98 用に書き換えた差分フ ァイル <インストール用の小物>(*) tools98/ このディレクトリには、インストール時にあると便利な 小物が入れてあります。フロッピーディスクイメージを ディスクに書き込むための rawrite.exe もあります。 (*)が付けられたファイル中には、Copyright98.txt 以外の条件が適用されるファ イルが含まれています。 ドキュメントは、98readme というディレクトリ内にあります。 その他のドキュメントは 98doc (インストール時に選択しないとインストールされ ません) をインストール後に /usr/share/doc/handbook.98/handbook98.nippon と して置かれます。lynx などのブラウザが使えるなら /usr/share/doc/handbook.98/handbook98.html を指定すれば HTML 形式のものが 読めます。必要に応じて /usr/share/doc/handbook/handbook.{ascii,html} も御 覧下さい。 4. FreeBSD(98) 3.5R-RELEASE の入手 ---------------------------------- 4.1. FTP -------- FreeBSD(98) 3.5R-RELEASE の 98 用ファイル群は日本国内の以下のサイトから anonymous FTP で入手することが可能です。 ftp://ftp.tokyonet.ad.jp/pub/FreeBSD-PC98/dists/ ftp://ftp.netlab.is.tsukuba.ac.jp/pub/OS/FreeBSD-PC98/dists/ ftp://ftp4.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD-PC98/dists/ ftp://ftp.pc98.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD-PC98/dists/ ftp://ftp.itjit.ad.jp/pub/FreeBSD-PC98/dists/ ftp://ftp.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD-PC98/dists/ ftp://ftp3.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD-PC98/dists/ ftp://ftp7.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD-PC98/dists/ (上記のサイトは、インストーラで指定すると、すべての配布ファイルの インストールが行なえるようになっています。) ftp://daemon.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD-PC98/ ftp://ftp.ics.es.osaka-u.ac.jp/pub/mirrors/FreeBSD-PC98/ また、FreeBSD 3.5-RELEASE (IBM-AT 互換機 PC 用) は上記 FTP サイトのほか、 日本国内の以下のサイトから anonymous FTP で入手することが可能です。 ftp://ftp.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/releases/i386/3.5-RELEASE ftp://ftp2.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/releases/i386/3.5-RELEASE ftp://ftp3.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/releases/i386/3.5-RELEASE ftp://ftp4.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/releases/i386/3.5-RELEASE ftp://ftp5.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/releases/i386/3.5-RELEASE ftp://ftp6.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/releases/i386/3.5-RELEASE ftp://ftp7.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/releases/i386/3.5-RELEASE *上記以外のサイトにも置かれている場合がありますので負荷の分散に御協力 下さい。 *FreeBSD(98) 3.5R-RELEASE を使用するためには、98 用ファイル群のほか、 IBM-AT 互換機 PC 用の FreeBSD 3.5-RELEASE の配布物が必要になります。 4.2. 雑誌 --------- 近頃では、コンピュータ、パソコンの雑誌にも添付されるようになってきました。 添付されている雑誌をお探しください。 5. インストール --------------- FreeBSD(98) 3.5R-RELEASE のインストールは 98 用ファイル群の中の Instal98.txt を参照して下さい。IBM-AT 互換機 PC 用のインストールガイドとは一部異なって います。