まず、カーネルの再構築の方法を説明します。
まず、/sys/pc98/conf にカーネルの設定内容を書いたファイル (ここでは、 SARU としておきます) を作成します。とりあえずは、GENERIC98 をコピーし、 後で述べる内容に従って書き換えます。(ゼロから書くとよく間違えることが ありますので、GENERIC98 をコピーして使用することをお勧めします。)
# cd /sys/pc98/conf # cp GENERIC98 SARU # vi SARUつぎに、config(8) を使用します。
# config SARU<CR> Don't forget to do a ``make depend'' Kernel build directory is ../../compile/SARUつぎにカーネルを作るディレクトリに移動します。
# cd ../../compile/SARUまたは
# cd /sys/compile/SARUここで、compile の次のディレクトリ名は config ファイルの名前になります。
次にファイルの依存性を設定します。# make dependいよいよコンパイル。
# makeエラーがなければ成功です。エラーがあった場合はとりあえず config ファイ ルの中身を疑ってみて下さい。
最後に恐怖のインストールです。# make install古いカーネルは kernel.old として保存されます。これで、リブートすれば新 しいカーネルが動きます。
# shutdown -r now不幸にも動かない場合はリブートできればリブートし、ハングアップした時は リセットして下さい。そして、ブート時の
Hit [Enter] to boot immediately, or any other key for command prompt.と表示されている時に、リターンキー以外 (例えばスペースキー) を押すとプ ロンプトが表示されます。
ok新しいカーネルをアンロードした後、古いカーネルをロードしてブートさせま す。
unload<CR> ok load kernel.old<CR> ok boot<CR>これで古いカーネルでブートします。
注意!使用する make は FreeBSD に付属の ucb make です。GNU make ではコン パイルできないので注意して下さい。
config ファイルにはカーネルの動作を決める重要な記述がつまっています。 この中には絶対に消してはいけないものや自分の環境に応じて書き換える必要 があるものそして、あると嬉しいものなどいろいろなものがあります。それら を一つ一つ見ていきます。config(8) は、'#' 以降をコメントとして扱います。 ソースを展開している場合、/usr/src/sys/i386/conf/LINT というファイルが 存在する可能性があります。このファイルには、さまざまなオプションの説明 があるので、必要に応じて参考にして下さい。ただし、LINT に書かれている のは、IBM-PC 用の説明であり、PC98 では使用できないものも含まれているの で注意して下さい。さらに、LINT には、システムや、ネットワークに対して 重大な障害を与える可能性のある "危険な" オプションも記載されているので、 十分注意して下さい。LINT を参考にする場合は、必ずすみからすみまで読ん で下さい。
以下のキーワードは必須です。
config(8) に PC98 アーキテクチャのカーネルを作成することを指示します。書き換えないで下さい。
使用するCPUを指定します。
cpu_type の部分には以下のいずれかが指定できます。
i386DX/SXおよびそれらの互換プロセッサを使用する場合に指定します。
i486DX/SX/DX2/DX4/ODP およびそれらの互換プロセッサを使用する場合に指定します。
Pentium プロセッサおよびその互換プロセッサを使用する場合に指定します。
Pentium Pro プロセッサおよびその互換プロセッサを使用する場合に指定します。
複数の CPU を指定することも可能です。
config ファイルの名前と同じものを記述します。
カーネル内のいくつかのテーブルの大きさを決定するために使用されます。
"最大ユーザ" となっていますが、この数を越えるユーザがログインしても使用できます。
この値が小さいとファイルが作成できなくなったり、新たなプロセスが起動できなくなる可能性があります。
特別な値 `0' を指定すると、物理メモリ量に比例して自動決定されます。
機種依存のソースコードに対し、PC98 アーキテクチャのコードを使用するように指示します。必ず指定して下さい。これがないと動きません。
コプロセッサデバイスです。数値演算コプロセッサの有無にかかかわらず消さないで下さい。
以下はカーネルの提供する機能を選択するオプションです。
数値演算コプロセッサがない場合は指定して下さい。ソフトウェアでエミュレートします。ただし、動作が完全ではないことと速度が遅いことを覚悟する必要があります。
Linux から持ってきた賢くて速い浮動小数点エミュレータです。このオプションを指定した場合は options MATH_EMULATE をコメントアウトして下さい。
このオプションを指定して作成したカーネルには、GPL が適用されま す。再配布等の際は注意して下さい。
4.3BSD のシステムコールをサポートします。必ず指定して下さい。
SysV 形式の共有メモリをサポートします。X を使う場合は指定しておくと効果があります。
SysV 形式のセマフォをサポートします。
SysV 形式のメッセージをサポートします。
サポートするファイルシステムを選択するオプションです。ローカルディスク からブートするなら FFS、ネットワークディスクからブートするディスクレ スとするなら NFS となります。
バークレーのファーストファイルシステムをサポートします。
このオプションを指定すると NFS が使えるようになります。NFS を使わ ない時はコメントアウトしてもかまいません。(外せばカーネルがだいぶ 小さくなります。)
メモリーファイルシステム (MFS) をサポートします。MFS を使わない時 はコメントアウトしてもかまいません。
MSDOS のファイルシステム (FAT) をサポートします。省略しない方が便 利です。
quota チェックを有効にしたいときは指定して下さい。
"プロセスファイルシステム" をサポートします。
ISO-9660 形式の CD-ROM をサポートします。CD-ROM を使用しない時は省 略してもかまいません。
FFS でのソフトアップデートサポートを有効にします。このオプションを 指定したカーネルでファイルシステムにソフトアップデートフラグを付け ると、書込性能が大幅に向上しかつ不慮の電源断時にもファイルシステム の整合性が保たれるようになるかもしれません。
いくらか余分にメモリを消費しますが、巨大なディレクトリでの パフォーマンスを向上させます。
基本的なディスクに関するオプションです。「SCSI デバイス」、「ネットワ ーク」についてはそれぞれの節を参照して下さい。
PC-98 標準バス (C-BUS) を使うことを宣言します。変更しないで下さい。
PCI バスを使うことを宣言します。PCI バス搭載機種では指定しておくと幸せになれます。
`fdc' ドライバーは内蔵フロッピーディスクコントローラをサポートします。
`fd' サブドライバーはフロッピーディスクをサポートします。 フロッピーディスクを使用する場合は必ず指定して下さい。(普通は省略しません。)
`wdc' ドライバーは IDE インターフェースをサポートします。
`wd' サブドライバーは、IDE ハードディスクをサポートします。IDE ハ ードディスクを使用する場合は必ず指定して下さい。
ATAPI CD-ROM をサポートします。options ATAPI も指定して下さい。
ATAPI ZIP/MO をサポートします。options ATAPI も指定して下さい。
`ata' ドライバは `wdc' に代わる新しい IDE ドライバです。 内蔵 IDE インターフェースを使用する場合には `nac' ドライバと併用し ます。
`ata' ドライバ上で IDE ハードディスクをサポートします。
`ata' ドライバ上で ATAPI CD-ROM をサポートします。
`ata' ドライバ上で ATAPI ZIP/MO をサポートします。
サポートしている SCSI インターフェース、デバイスについて説明します。
SCSI コントローラ
以下の SCSI コントローラがサポートされています。
`bs' ドライバは、WD33C93 用 (PC-9801-55 ボード互換用) のSCSI ドライバーです。このデバイスドライバーは、NetBSD/pc98 core team によって作成されたものを FreeBSD(98) に移植したものです。
flags には使用するボードの種類を表す以下の数字のいずれか一つを 記述します。
flags | ボードの種類 |
---|---|
0x00000 | NEC PC-9801-92 互換ボード (DMA 転送) |
0x10000 | IO DATA SC98II (バスマスタ転送) |
0x20000 | TEXA HA-55-BS2 以降 (バスマスタ転送) |
0x30000 | ELECOM バスマスタタイプのボード (バスマスタ転送) |
0x40000 | 各社 SMIT 転送のボード (SMIT 転送) |
0x50000 | Logitec LHA-20x シリーズ |
SMIT 転送を用いる場合は iomem に BIOS ROM ベースアドレス(通常 は 0xdc000) を指定し iosiz は 0x1000 を指定して下さい。他のボ ードでは iomem および iosiz を書く必要はありません。
bs ドライバ関連の詳しい設定については「SCSI サブシステムと bs ドライバについて」を参照して下さい。
`bs' ドライバにおいてハードディスク以外に対する同期転送を禁止します。
`ct' ドライバは、`bs' ドライバに代わる新しい SCSI ドライバです。 このデバイスドライバも、NetBSD/pc98 core team によって作成され たものを FreeBSD(98) に移植したものです。 PnP モードにも対応しています。
`ahc' ドライバーは Adaptec 274x/284x/294x をサポートします。
`ncr' ドライバーは NCR 53C810/53C825 を用いた SCSI ボードをサポートします。
`sym' ドライバーは NCR/Symbios
53C810A/53C825A/53C860/53C87x/53C885/53C895 を用いた SCSI ボードをサポートします。
`adv' ドライバーは AdvanSys コントローラーを用いた Narrow SCSI ボードをサポートします。
`amd' ドライバーは AMD 53C974 を用いた SCSI ボードをサポートと します。
`isp' ドライバーは Qlogic ISP ファミリの SCSI ボードをサポート します。
`scbus' ドライバーは、SCSI サブシステムの中核部分を形成します。 SCSI デバイスを使用する時は必ず指定して下さい。
`da' サブドライバーは SCSI インターフェースに接続されたハードディ スクドライブおよび MO ドライブをサポートします。SCSI ハードディス クを使用する時は必ず指定して下さい。
`sa' サブドライバーは SCSI インターフェイスに接続されたテープデバ イス (DAT を含む) をサポートします。SCSI テープデバイスを使用する 時は指定して下さい。
`cd' サブドライバーは SCSI インターフェイスに接続された CD-ROM ド ライブをサポートします。SCSI CD-ROM を使用する時は指定して下さい。
`pass' サブドライバーは SCSI インターフェイスに接続された装置を直 接取り扱う時に使用します。
`ch' サブドライバーは SCSI メディアチェンジャをサポートします。
`pt' サブドライバーは SCSI プロセッサデバイスをサポートします。
`ses' サブドライバーは SCSI Enclosure Services(SES)をサポートします。
コンソールデバイスの指定です。X Window System を使うのであればマウスに ついても指定して下さい。
コンソールデバイスです。消さないで下さい。
ビデオカードインターフェイスです。消さないで下さい。
キーボードデバイスです。消さないで下さい。
X Window System をサポートしたコンソールを作成します。指定する方が無難です。X を使う場合は必ず指定して下さい。
FreeBSD(98) で 30 行モード (DOS の 30 行 BIOS のようなこと) を使用する場合は、このオプションを指定して下さい。30 行モードについては「FreeBSD(98) 30 行モード」を参照して下さい。
起動時に画像を表示する場合に必要です。
バスマウスを使用する時は指定して下さい。
シリアルポートに関連するオプションです。
内蔵 RS-232C ドライバーです。内蔵 RS-232C ポートを使用する場合はこのように指定して下さい。
マイクロコアの MC16550/MC16550II/MC-RS98 を使用する場合は、このよう に指定してして下さい。``flags''の後の数字によってボードの種類を指定 します。
0x00000000 内蔵 RS-232C インターフェース 0x02000000 NEC PC-9861K, PC-9801-101, 緑電子 MDC-926Rs 0x10000000 I-O DATA RSA-98II (NS16550 互換モード) 0x11000000 NEC PC-9801-120, 125 0x12000000 内蔵 COM2 (2nd CCU) 0x14000000 マイクロコア MC-16550II, MC-RS98 0x15000000 Media Intelligent RSB-2000, RSB-3000, AIWA B98-02 0x16000000 Media Intelligent RSB-384 0x18000000 I-O DATA RSA-98III 0x19000000 MidoriHayes ESP982つ目のチャンネルは以下のように指定します。
このとき、後述の options COM_MULTIPORT を指定しておいて下さい。portおよびirqはボードで設定した値を記述して下さい。MC-RS98では、d? の部分を b? や e?に変更することによりI/Oアドレスを変更することが可能ですが、/sys/pc98/pc98/sio.c を変更する必要があります。 flagsは、上位バイトがマスターsio番号で、下位バイトのb0がマルチポートデバイスのフラグです。内蔵RS-232Cインターフェースを使用せず、sio0からMC16550を使用する場合は、
のようにflagsを変更して下さい。また、AIWAのB98-01を使用する場合は、
としてください。port はボードで設定した値を記述して下さい。irq は自動的に設定されます。
マイクロコアのMC16550/MC16550II/MC-RS-98を使用する場合は指定して下さい。
パラレルポートに関連するオプションです。
内蔵のパラレルポートを双方向バスインターフェイスとして使用する時は指定して下さい。``device ppbus'' を指定しておいて下さい。
パラレルポートバスの中核部分を形成します。パラレルポートバスを利用する場合は必ず指定して下さい。
パラレルポートバス上のプリンタを使用する時は指定して下さい。
TCP/IP over parallel を使用する時は指定して下さい。
内蔵のパラレルポートが双方向バスインターフェイスとして利用できない (ppc デバイスが利用できない) 機種でプリンタを使用する時は指定して下さい。
多くの Unix 同様 FreeBSD もネットワーク機能を強力にサポートしています。
インターネットプロトコルをサポートします。必ず指定して下さい。
マルチキャストルーティングをサポートします。
ファイアウォールとして動作させる場合は指定して下さい。
一部のネットワークデバイスドライバで割り込み/ポーリング混在モード
をサポートします。このモードでは、カーネルのネットワーク処理と他処
理間で正確な CPU 時間の割り当てが可能になるとともに、負荷耐性や応
答性でも有利になります。
sysctl 変数 "kern.polling.enable" により、ポーリングモードの有効/
無効を動的に切り替えることが出来ます(デフォルトでは無効)。なお、ス
ムーズな動作のために HZ=1000 もしくは 2000 での利用を強くお勧めし
ます。
現時点では、一部のデバイスドライバでのみサポートされています。
詳細は polling(4) を参照して下さい。
以下のイーサネットカードをサポートしています。なお、ボード固有 の注意事項は「4.2. ネットワークボード別の注意事項」を参照して 下さい。
`ed' ドライバーはナショナルセミコンダクター社の DS8390 および その互換チップを用いたネットワークボードをサポートします.
C-BUS 以外に PCI バス及び PCMCIA に対応していますが、PCI バス及び PCMCIA については自動的に設定されますので、特に気 に する必要はありません。 以下の説明は、C-BUS のボードにの み適応されます。
portとirq の後の数字は I/O ポートアドレスと割り込み番号で す。iomemとiosiz は,シェアードメモリのアドレスとサイズで す。いずれもボードの設定と同じになるようにして下さい。
``flags'' の後の数字によって特定のボードのみサポートする機 能が提供されています。``flags'' には使用するボードの種類を 表す以下の数字のいずれか一つを記述します。個別のボードの型 番と flags との対応の完全なリストは「サポートしているハー ドウェア」を参照してください。
実際に使用するボードに合わせて値を変更して下さい。
共有メモリを用いる SIC-98、C-NET(98) 無印、EtherEZ98 の 場 合は iomem に 共有メモリのベースアドレスを指定し iosiz は 共有メモリのサイズを指定して下さい。他のボードでは iomem および iosiz を書く必要はありません。
`fe' ドライバーは富士通のMB86960A/MB86965Aおよび互換チップ を利用したLANボードをサポートします。port には、LAN ボード が使用する I/O アドレスを指定して下さい。C-BUS の場合はボー ドの設定と同じになるようにして下さい。 PCMCIA の場合は自動 的に設定されますので、特に気にする必要はありません。
以下のボードでの動作が確認されています。
`fe'ドライバで TDK LAC-98 シリーズをサポートする場合に指定して下さい。
`ep' ドライバーは 3COM 社の 3C569 / 3C589 をサポートします。 C-BUS 及び PCMCIA に対応しており、port や irq は自動的に設 定されますので、何も書かないでください(port や irq を書く と誤認識してしまいます)。
`de' ドライバは DEC DC21x4x を用いたネットワークボードをサポートします。
`fxp' ドライバーは Intel EtherExpress Pro/100B をサポートします。
`em' ドライバーは Intel PRO/1000 をサポートします。
`lnc'ドライバはAMD 社の AM7990(LANCE) 及びその互換チップを 用いたネットワークボードをサポートします。
port とirq の後の数字は I/O ポートアドレスと割り込み番号で す。 C-BUS の場合はボードの設定と同じになるようにして下さ い。 PCI バスの場合は自動的に設定されますので、特に気にす る必要はありません。
なお、AT 互換機では drq を指定する必要がありますが、PC-98 では不要です。
`rl'ドライバはRealTek 8129/8139, Accton MPX 5030/5038ベースの LAN ボードをサポートします。
`vr'ドライバはVIA VT3043/VT86C100A(Rhine I/II) ベースの LAN ボードをサポートします。
`vx' ドライバーは 3Com 3C590/3C595 をサポートします。
`sis' ドライバーは SiS 900/SiS 7016, NatSemi DP83815 を用いた ボードをサポートします。例えば @Nifty FNECHARD IFC-USUP-TX, MELCO LGY-PCI-TXC 等があります。
`snc' ドライバはナショナルセミコンダクター社の DP83932 (SONIC-T) を用いたネットワークボード、例えば、 PC-9801-83,84,103,104 と PC-9801N-25,J02,J02R をサポートし ます。
port とirq の後の数字は I/O ポートアドレスと割り込み番号で す。また iomem の後の数字は 共有メモリのベースアドレスです。 C-BUS の場合はボードの設定と同じになるようにして下さい。 PCMCIA の場合は自動的に設定されますので、特に気にする必要 はありません。
localhost (127.0.0.1) 用の仮想デバイスです。消さないで下さい。
イーサネットをサポートします。消さないで下さい。
SLIP を使用する時は指定して下さい。
PPP を使用できるようにします。カーネル PPP を使用する場合は必ず指 定して下さい。ユーザランド PPP のみを使用する場合は不要です。
ユーザプロセスからカーネルのネットワーク層にアクセスするためのトン ネルデバイスです。ユーザランド PPP を使用する時は必ず指定して下さい。
バークレイパケットフィルタの機能を有効にします。ドライバが未対応な ために使用できないイーサネットカードがあります。
`gre' 仮想デバイスは、GRE や MOBILE 用の IPv4 トンネリングをサポー トします。これは、Cisco の GRE トンネリングと互換性があり、GRE ト ンネリングをサポートしたルータとして使用することができるようになり ます。
IPv6 を使用するためには、以下のオプションも必要です。
インターネットプロトコル バージョン 6 をサポートします。
`gif' 仮想デバイスは、バージョンの違う IP 間でのトンネリングをサポートします。以下の 4 通りが実装されています。
`faith' 仮想デバイスは、IPv6/IPv4 の変換をサポートします。
`stf' 仮想デバイスは、6to4 のカプセル化をサポートします。
これ以降のオプションは GENERIC98 カーネルに含まれていません。必要に応 じて各自で加えて下さい。
サウンドカードを使用する場合は指定して下さい。また、使用するサウンドカードに合わせて、以下のデバイスを指定して下さい。
NEC PC-9801-86/73 ボードを使用する場合は指定して下さい。irq の値は初期化時に自動的に取得するので、どのような値でもかまいません。
X-MATE 内蔵の PCM 音源を使用する場合は指定して下さい。
サウンドブラスタを使用する場合は指定して下さい。
サウンドブラスタ 16 を使用する場合は指定して下さい。
MPU-401 互換の MIDI インタフェース を使用する場合は指定して下さい。
`pcm' ドライバは、`snd' ドライバに代わる新しいサウンドドライバです。 mss互換音源およびサウンドブラスタに対応しています。
サウンドブラスタを使用する場合には、下記に示すように `sbc' ブリッ ジドライバを併用して下さい。
疑似デバイスはデバイスドライバのように動作しますが、対応するデバイスが存在するわけではありません。「ネットワーク」でもいくつかの疑似デバイスが出て来ましたが、残りをここで説明します。
gzip で圧縮されたファイルを実行できるようにします。
仮想端末デバイスです。消さないで下さい。
ファイルをデバイスとして扱うことを可能にする vnode ドライバをサポートします。
IBM-PC でフォーマットされたディスクをマウントできるようにします。 ただし、SCSI ボードの設定でハードディスクが mode sense コマンドに 答えるジオメトリ情報と BIOS の設定するものとが一致している必要があ ります。
一部の EPSON 機で必須となるオプションです。
これらは現在メンテナンスされていないため、使用できない可能性があります。
古い EPSON のノートパソコンの I/O バンク切替をサポートします。 EPSON PC-386NOTE A/AE/W/WR を使用する場合は必ず指定して下さい。
このオプションを指定すると、15-16MB にあたる領域を使用しません。ま た、I/O ポート 0x43b にアクセスし、メモリウィンドウを使用できるよ うにします。
0xf00000 以上の領域に対し、バウンスバッファを使用します。このオプ ションを指定する場合は、BOUNCE_BUFFERS も一緒に指定して下さい。 EPSON PC-486GR Super は、このオプションを指定しないと、15MB を越え るメモリーを使用することができません。
一部の EPSON 機では、セカンドキャッシュがライトバック方式の場合、 CPU スイッチを High にすると正常に動作しなくなります。既に判明して いる PC-486HX などについてはカーネルが自動認識して対応しますが、そ れ以外の機種で動作しない場合に指定してみてください。
CPU アクセラレータなどを使用している場合は適切に指定することでその性能 が発揮されます。
IBM Blue Lighting を使用している場合、このオプションを指定すると FPU のデータをキャッシュするようになります。Cyrix 製の FPU でのみ 有効です。Intel 製の FPU を利用している場合は指定しないで下さい。
IBM Blue Lighting を使用している場合、このオプションを指定すると 3 倍速動作になります。指定しない場合は 2 倍速になります。
Cyrix486DLC を利用している場合、このオプションを指定すると 1 次キ ャッシュをダイレクトマップ方式にします。指定しない場合は、2 ウェイ アソシエティブ方式です。
Cyrix の 5x86 を使用している場合、このオプションを指定すると、パイ プラインの効率を上げるためにメモリアクセスの順番を変更する機能が有 効になります。この場合、メモリマップド I/O を使用するデバイス (例 えば XFree86 で mmio を指定する場合) は正しく動作しない可能性があ るので注意して下さい。
Cyrix の 5x86 を使用している場合、このオプションを指定すると、FPU 例外の取り扱いが速くなります。
i486 のキャッシュを有効にします。元々 i386 のマシンに i486 を付け た時に、BIOS がキャッシュを有効しない場合指定して下さい。
write allocation を有効にします。Cyrix 6x86/6x86MX と AMD K5/K6 の み有効です。
HLT 命令が実行された時にサスペンドモードに移行して消費電力を軽減さ せます。いまのところ Cyrix の 486DX/5x86/6x86 のみ有効です。他の CPU では無効です。
警告! この機能のテストは不十分です。
Cyrix 486 を使用している場合、hold 信号でキャッシュをフラッシュす るようにります。
一部の 286 マシン用 CPU アクセラレータボードでは、数値演算コプロセ ッサのエラー信号を認識できません。そのような機種で数値演算コプロセ ッサを使用する場合は、このオプションを指定して下さい。
注意!
このオプションを指定してもエラー信号を正しく処理できるようには なりません。一部のアプリケーションの演算時のエラーを使用する機 能は使用できません。
USB を使用する際には以下のドライバが必要です。
OHCI(Open Host Controller Interface)対応の USB コントローラ用 ドライバです。NEC PC-9821 V200 等内蔵 USB コントローラや @Nifty FNECHARD IFC-USUP-TX (PCI)をサポートします。 これらのコントローラで USB を使用する際は指定してください。
UHCI(Universal Host Controller Interface)対応の USB コントロー ラ用ドライバです。TRY CORPORATION JUS-02 等をサポートします。 これらのコントローラで USB を使用する際は指定してください。
USB 関連の共通モジュールです。USB を使用する際は必ず指定して ください。
USB 接続の FM Radio をサポートします。
USB 接続のヒューマンインタフェイスデバイス(ボタンやダイアル付) をサポートします。
USB 接続のキーボードをサポートします。
USB 接続のプリンタをサポートします。
USB 接続のストレージデバイス(Zip 等)をサポートします。 scbus ドライバと da サブドライバが必要です。
USB 接続のモデムをサポートします。
USB 接続のマウスをサポートします。
USB 接続の Rio(MP3 Player) をサポートします。
USB 接続のスキャナをサポートします。
USB 接続のシリアルポート/デバイスをサポートします。
ADMtek チップを使用した USB イーサネット用のドライバです。
LinkSys USB100TX, Billionton USB100, Melco LU-ATX,
D-Link DSB-650TX, SMC 2202USB をサポートします。
ADMtek AN986 Pegasus でも動くかもしれません。
MII バスドライバが必要です。
RealTek RTL8150 用の USB イーサネットドライバです。
Melco LUA-KTX, GREEN HOUSE GH-USB100B をサポートします。
MII バスドライバが必要です。
CATC USB-EL1201A 用の USB イーサネットドライバです。
CATC Netmate や Netmate II, Belkin F5U111 をサポートします。
MII バスドライバが必要です。
Kawasaki LSI 用の USB イーサネットドライバです。
LinkSys USB10T, Entrega USB-NET-E45, Peracom Ethernet Adapter,
3Com 3c19250, ADS Technologies USB-10BT, the ATen UC10T,
Netgear EA101, D-Link DSB-650, SMC 2102USB, 2104USB,
Corega USB-T をサポートします。
MII バスドライバが必要です。
上記以外の USB 接続機器をサポートします。USB を使用する際は指定 しておくと良いでしょう。
FireWire を使用する際には以下のドライバが必要です。
FireWire バスドライバです。
FireWire 上で SBP2/SCSI をサポートします。`scbus' と `da' SCSI サ ブドライバが必要です。
FireWire 上での Ethernet エミュレーションをサポートします。この機 能は独自仕様です。
その他のオプション、デバイスについて説明します。
/dev/speaker を使用する時は指定して下さい。
プラグ&プレイカード用に使ってはいけないシステムリソースをあらかじ
め確保するためのドライバです。
C Bus のプラグ&プレイカードを PnP モードで使用する場合には、指定
すると安全です。
APM を使用する時は指定して下さい。
APM が使えない古い 98NOTE で "shutdown -p" による電源断を行いたい 時は指定して下さい。
98NOTE で PC カード (PCMCIA) を使用する時は指定してください。
FreeBSD(98) では 2.0.5 以降、複数の同種 SCSI デバイスに対して自動的に ユニット番号を割り付ける機能があります。よって一般的には以下のように指 定しておけば起動時に SCSI バスに接続されたハードディスク、光磁気ディス ク、テープ、CD-ROM のそれぞれの数がいくつであっても自動的に番号が振ら れて使用可能な状態になります。インテリジェントな SCSI I/F が主流となっ ている AT 互換機では、SCSI 機器の構成を変更したりした場合にも自動的に 対応できるこの指定方式が推奨されています。
一方、従来との互換性のために以下のように割り付けを指定して固定する事も できます。そして bs ドライバでは、各 SCSI 機器に対応した転送レートを管 理するなどの、インテリジェントな SCSI I/F ではカード上の CPU がやって くれることを FreeBSD カーネルが行わなければならないために、以下のよう に個々のデバイスを指定して記述することを推奨します。(指定しなくても動 作に支障のない場合がほとんどですが SCSI 機器の性能を引き出すためには flags の指定が重要になるからです。)
`at scbus0' の部分は どの SCSI サブシステムにぶら下がるか(すなわち ど の SCSI ボードを使用するか) を指定します。
`target 0' の部分は SCSI ID を指定して下さい。
`unit 0' の部分は LUN (論理ユニット番号) を指定します。たいていの場合は 0 です。
`flags' の部分は それぞれの機器に対してどのようなアクセス方法をとるか を指定します。この値は使用するデバイスごとに最適値が異なっています。
flags では 32bit を以下のように いくつかのフィールドに区切って転送速度 などのパラメータを指定します。
MSB | LSB | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
`+' をつけたオプションは 1 にすると効率向上の効果があり、
`-' をつけたオプションは 1 にすると効率が下がります。
sync rate については転送速度を 0.1MB 単位で表した数字になります。例え ば 5MB/sec の場合は 5MB/sec = 50 * 0.1MB/sec なので 0x32 になります。
flags を省略した場合はデフォルト値として 0xffff0301 が使用されます。こ れは以下の指定になります。
- 同期転送 (offset と period はネゴシエーションによって決定)
- disconnect は用いない
- コマンドリンク不使用
- コンビネーションコマンドを使用しない
- パリティラインを監視しない
ハードディスクについては 0x320c0003 をとりあえず用いると良いでしょう。 また CD-ROM や MO などは 0x020c0304 あたりを指定して、そこからチューニ ングしていくと良いと思います。
bs ドライバは SCSI バスがハングアップした場合に SCSI バスのリセットを 試みます。もしハードディスクのアクセスランプが点灯したままカーネルがお 亡くなりになったように見えても、しばらくはそのままにしておいてください。 ハングアップの原因が SCSI バス側にあるのであれば復旧する可能性がありま す。
信頼性を求めるのであればパリティラインの監視を有効にしてください。読み 込み時にパリティエラーが発生した場合は完全に復旧されます。書き込時はデ バイスに依存します。
INT # の値と irq # の間には次の関係があります。
INT | irq |
---|---|
0 | 3 |
1 | 5 |
2 | 6 |
3 | 9 |
41 | 10 |
5 | 12 |
6 | 13 |
FreeBSD QandA 242に、さらに詳しい解説があります。
boot1 と boot2 は /boot の下にコピーされます。これらの内容をブートブロ ックに書き込むには、
da# の場合: disklabel -B -b boot1 -s boot2 da# wd# の場合: disklabel -B -b boot1 -s boot2 wd# fd# の場合: disklabel -B -b boot1 -s boot2 fd#
として下さい (# は装置番号) 。なお、-b boot1 を省略した場合 /boot/boot1、-s boot2 を省略した場合 /boot/boot2 が使われます。例えば、
disklabel -B wd0
とした時は、wd0 に /boot/boot1, /boot/boot2 が書き込まれます。また、 自分でブートブロックを作成した場合も同様な手順で書き込んで下さい。
(注意)この操作は通常行なうことはないはずです。失敗すればディスクから起動 できなくなるばかりか大切なデータを失うことになるので注意して下さい。