SNAPSHOTs Notes: 2002 年 1 月 13 日

はじめに

先週末にばたばたした locale 問題は,日本語 EUC をはじめとする, いくつかの locale だけが backout される,ということで解決し, これを受けて 4.5-RC1 が無事出た,というのが今週のいちばん大きな出来事, でしょう.しかし,4.5-RC1 を出す予定日からずれてしまったため, リリース日も 1 月 26 日に変更となってしまいました. とはいえ,4.3-RELEASE や 4.4-RELEASE の時を思うと, 今回は結構(まだ)おとなしい release 前なのかなぁという気はします.

4.5-RC1 登場

ここ最近のリリースでは,本来のリリースを出す「前」に, 「これで出そうと思うんだけど,いいよね?」 という確認の意味で RC (release candidate)版が出るようになっています. 4.3-RELEASE および 4.4-RELEASE の時には,合計 5 回の RC が出た後, 実際のリリースが行われました.5 回も出してしまったので (出さなければ「うまくいっている」かどうかを確認できなかったので, と言った方が正確なのかもしれませんが), その分リリースも遅れてしまった,という話もあります. しかし,中途半端なリリースになるよりは多少遅れた方が良く, かつ「この程度の遅れで済んだ」という言い方もあります.

さて,4.5-RC1 はいつものように通常のリリース版が置かれている場所, 例えば国内ならば ftp://ftp.jp.FreeBSD.org/releases/ 以下にあります. この原稿を書いている時点では,FreeBSD/i386 と FreeBSD/alpha の ISO image(alpha 版は package なしの縮小版),FreeBSD/i386 の distribution 自体が置かれています.FreeBSD/alpha の distribution はまだ置かれていないようです. すでに入手された方で,もし何らかの問題を発見した場合には, すぐに stable@FreeBSD.org などに連絡をしておいてもらえると嬉しいです.

4.5-RELEASE で採用予定(?)の新しい CD image

今回,i386 版の ISO image が現時点で「2種類」提供されています. 1 つめは 4.5-RC1.iso で,これは従来通りの物(中身はもちろん 4.5-RC1 ですが) です.もう 1 つは 4.5-RC1-cdboot.iso で,これは CD からの boot 方法を従来とは異なる方法で作成した物です. 後者の場合,CD 上にある kernel を直接起動することが可能なため, 従来あった「floppy の容量制限のために, 機能をけずった kernel しかインストール時には使えない」 という問題を解決することができると期待されています.

ただ,方法がちょっと異なるので,もしかすると,この CD で「起動できない」 計算機があるかもしれないため, 現時点ではリリース時にどうするか決めかねているという状態のようです. 特に多少古めの計算機を持っていて,その計算機で従来の CD から boot できる場合には, 新しい boot 方法を用いた CD をぜひ試してもらえると嬉しいです. 「試すだけなら良いけど,インストールはしないので,あんなに大きな image を ftp するのは面倒」という方には,boot させる部分だけがはいっている 5MB 程度の別の image が releng4.FreeBSD.org にて提供されていますので, それを試すと良いでしょう. うまくいったにせよ,いかなかったにせよ,結果は stable@FreeBSD.org に投げて欲しい,という告知もでています.

おまけ: FreeBSD における ftp 配布物の提供方法

ところで,現在の FreeBSD における ftp での配布方法は次のようになっています.

まず,新しい配布物(例えば 4.5-RC1 とか)が master server に置かれます. この master server,直感的には「ftp.FreeBSD.org なんでしょ?」 ということになりますが(過去はそうだったんですが),実際には違います. この master server,ftp-master.FreeBSD.org という名前が付けられていますが,これは一般には公開されておらず, あらかじめ申請して認められた official mirror (以下 tier-1 server と呼びます) からのみの access を受けつけるようになっています. 現在の ftp.FreeBSD.org は単なる数多くの tier-1 server の 1 つに過ぎません. こうすることにより,仮に ftp.FreeBSD.org 自体にトラブルが発生しても, 他の tier-1 server を新しい ftp.FreeBSD.org と名付けることによって, 簡単に復活(?)させることが可能になっています.過去,ftp.FreeBSD.org のトラブルでばたついた経験から,こうなっているのでしょう.

さて,日本国内の official mirror は,jp.FreeBSD.org が国内に設置している tier-1 server である ftp-master.jp.FreeBSD.org から一斉にがりがりと取る, という格好になっています.このサーバは master server と同様, 一般からのアクセスは認められておらず,official mirror を始めとした, FreeBSD の公開サーバとして使われている計算機からのみ ftp アクセスできます. そういう意味では ftp.FreeBSD.org よりも更新が「遅い」かもしれませんが, ftp-master.jp.FreeBSD.org はほぼ常に master server の中身を取りつづけているので, 国内の各 official mirror はほぼ tier-1 server に近い状態で維持されています.今回の 4.5-RC1 リリースにあたっても, ほぼ 1 日程度で全ての official mirror に 4.5-RC1 が揃ったようです.

次回にむけて

今週はこの他にもいくつかあったような気がするのですが, そろそろ紙面(?)が尽きてしまったようです.いまのところ 4.5-RC1 にめだった bug の報告はないようなので,次の週末位には 4.5-RC2 も出てしまうのではないかという気もします. 次々回の SNAPSHOTs Notes で「4.5-RELEASE 出た」 と私ははたして言えるのでしょうか:)


Appendix


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$Date: 2002/01/12 14:51:22 $