FreeBSD(98) インストールガイド
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4. インストール

4.7. 配布ファイルの選択

続いて、

(図) 配布ファイルを選択して下さい

と表示されます。画面に表示されていないメニューはカーソルキーでスクロールす ると表示されます。一般的には User または X-User が無難です。

注意 : オリジナルの FreeBSD リリースを CD-ROM からインストールし FreeBSD(98) の部分だけ MS-DOS 領域からインストールする場合(1)は注意が必 要です。

アップグレードインストールではない場合:

本来 CD-ROM にない 98src や 98bin の部分を選択するとインストールに失敗し て正常に /kernel が作成できない等の問題が起こります(2)。CD-ROM からイ ンストールする場合は bin や src の中の必要なものを指定して一度インストー ルしてください。この時 FreeBSD(98) に含まれる項目は選択してはいけません。

その後、メディア選択で「DOS」を選択し直して今度は FreeBSD(98) に含まれる もの (98bin, 98src 等) だけ選択してください。この時、98src の項目を選択 すると src も同時に選択状態となりますので、もう一度 src の選択画面に切替 えて src で選択された状態になっているものを取り消してください。その後、 「C カスタム」画面の「7 コミット」を実行してインストールを行います。

アップグレードインストールの場合:

この場合は CD-ROM と本来 CD-ROM にない 98src や 98bin の部分を含めて配 布ファイルを選択します。最初の媒体は bin が含まれている媒体を選択してイ ンストールします。この後、「配布ファイル 98bin を CD-ROM から転送できま せん. もう一度試してみますか?」が表示されます。この時「Yes」を選択しま す。次に「メディアタイプを変更しますか?」と表示されすので、これも「Yes」 と答えます。そして、「DOS」領域を選択して、98用の配布ファイルをインスト ールします。

  1. 複数の媒体からインストールすること自体「初心者」がやることではありま せん。:-) このようなインストールは「標準」モードではなく、「カスタム (熟練者用)」モードで実行してください。
  2. 98bin を選択した時で正常にインストールが終ったなら、Fixup 処理が行われ ます。そこで、/kernel.GENERIC98 を /kernel にコピー、/boot/kernel.config, /boot/loader.conf の作成、/kernel.GENERIC, /boot/boot0 の削除、全デバ イスの作り直し、環境専用のデバイスエントリ(/dev/) の作成、newaliases の実行がおこなわれます。媒体に含まれない物を選ぶとインストール時にエラー となり、これらのことが実行されません。

4.7.1 配布ファイルのカスタマイズ

もし、「B カスタム」を選択すると、 (図) インストールする配布ファイルの選択

と表示されます。ハイライトバーを移動させ、スペースバーを押すことによりイン ストールするかしないかを選択します。インストールする配布物には "X" が付け られます。画面にない項目はカーソルを移動させると表示されます。

4.7.2. カーネルソースファイルのインストール

カーネルを再構築するためにカーネルのソースが必要です。 配布ファイルの選択で必ず「B カスタム」を選択してください。

「インストールする配布ファイルの選択」画面の後部分の行に FreeBSD(98)用の ソースファイルのインストール指示があります。

(図) インストールする配布ファイルの選択``カーネルソースファイルのインストール''

ここで、98src を選択(カーソルを移動してスペースを押します)してください。 次の画面が表示されます。

(図) インストールする 98src サブコンポーネントを選択して下さい

「sys /usr/src/sys (FreeBSD(98) カーネル)」を選んでください。 この後、インストール作業を続けるか、コミットを行うと、カーネルソースファ イルがインストールされます。

カーネルの再構築については附属の handbook.98 を参照してください。

4.7.3. X Window System のインストール内容の設定

もし、配布物にXが含まれる場合は、

(図) XFree86 配布ファイル

と表示されます。まず、「B 基本」を選択してください。すると、

(図) XFree86 基本コンポーネント

と表示されます。ここで、基本的なバイナリのうち、何をインストールするか選択 します。リターンキーを押すと前の画面に戻ります。次に、「S サーバ」を選択し てください。すると、

(図) X サーバの選択

と表示されます。ここで、画面をスクロールさせて、PC98 のところでスペースバ ー押してください。

(図) PC98用 Xサーバの選択

ここで、必要なサーバを選択して、リターンキーを2度押してください。 次に「S フォント」を選択します。

(図) フォントの詳細な選択

と表示されるので、必要なフォントを選択し、リターンキーを押してください。 (日本語を使う場合は「non」も選択してください)

そして、「X 終了」を選択してリターンキーを押すと、インストールオプションの メニューに戻ります。

4.8. メディアの選択

続いて、

(図) インストールメディアを選択して下さい

と表示されます。希望するメディアを選択しリターンキーを押してください。もし、 選択したメディアに 98 用のファイルがない場合は、インストール後に再び選択し 直すことができるので、まず、bin が含まれているメディアを選択してください。 (Walnut Creek の CD-ROM から大部分をインストールし、残りをフロッピーディス クからインストールすることも可能です!)

注)4.7. 配布ファイルの選択」の注意事項を読んでください。

MO, PDS 等の光磁気ディスクからもインストールできます。MO のファイルタイプ が MS-DOS (Windows) であれば、「5 DOS」を選んでください。

もし、複数のメディアを利用するのであれば、必ず最初は bin の含まれているメ ディアを選択してください。98bin は必ず bin の後にインストールする必要があ ります。

4.8.1. FTP サイトの選択

もし、インストール元のメディアに FTP を選択すると、

(図) FreeBSD FTP 配布サイトを選択して下さい

というように、FTP サイトのリストが表示されます。画面に表示しきれていない部 分は、カーソルキーでハイライトバーを移動させるとスクロールして表示されます。 必ずネットワーク的に近いサイトを選択してください。特別な理由の無いかぎり、 絶対に、

ftp.freebsd.org に接続だ!

としてはいけません。日本国内のサイトとしては、

ftp.jp.freebsd.org
ftp2.jp.freebsd.org
ftp3.jp.freebsd.org
ftp4.jp.freebsd.org
ftp5.jp.freebsd.org
ftp6.jp.freebsd.org
ftp7.jp.freebsd.org

が表示されます。メニューの国名に '(98)' とあるサイトは、AT 互換機用の配布 物と 98 用のものが同じディレクトリに展開してあり、一度にインストールするこ とができます。

また、このリストにないサイトも、'U URL' を選択することによって使用すること が可能になります。

もし、'U URL' を選択すると、

(図) 回答を入力して下さい

と表示されるので、URL を入力してください。URL は、
ftp://host.name/directory という形式です。
(例えば ftp://ftp.iij.ad.jp/pub/FreeBSD/releases/i386/X.X-RELEASE) X.X-RELEASE はリリースバージョンに読み変えてください。

サイトを選択すると、

(図) ネットワークインターフェースの情報が必要です

と表示されます。適切なデバイスを選択してください。

(図) ネットワークの設定

ここで、ネットワークの設定を行ないます。リターンキーかまたは TAB キーを押 すと各項目を移動することができます。(ただし、OK でリターンキー押すと実行さ れるので注意してください。)まず、「ホスト名」の部分に、あなたの計算機のホ スト名を FQDN (hostname.subdomain.domain の形式) で入力して下さい。リター ンキーを押すと「ドメイン名」 に移動します。自動的に FQDN からホスト名を削 除した形になっているはずです。確認したらリターンキーを押して下さい。次に 「ゲートウェイ」に移動します。もし、他のネットワークとのゲートウェイがあれ ば、その IP アドレスを入力して下さい。なければ空欄で構いません。設定したら リターンキーを押して下さい。すると、「ネームサーバ」に移動します。もし、 DNS を使用している環境でネームサーバが運用されていればその IP アドレスを入 力してください。なければ空欄で構いませんが、URL にホスト名が書かれている場 合は必ず設定してください。記入したらリターンキーを押してください。すると、 「 IP アドレス」に移動するので、いま、インストールしようとしいるホストの IP アドレスを入力し、リターンキーを押してください。次に、「ネットマスク」 に移動するので、適切なネットマスクを入力してください。入力したらリターンキ ーを押してください。すると、「ifconfig へのその他のオプション」に移動する ので、ifconfig に特別なオプションが必要なら、それを記入してください。なけ れば空欄のままにしてください。ここで、リターンキーを押すと OK に移動するの で、設定に誤りがなければリターンキーを押してください。もし、修正する場合は TAB キーを押して、修正したい項目に移動してください。

4.8.2. NFS サーバの選択

もし、メディアに NFS を選択すると、

    +----------------------- 回答を入力して下さい ------------------------+
    | FreeBSD 配布ファイルを持っているディレクトリに対する完全な NFS ファ |
    | イル指定を行なって下さい. これは                                    |
    |      ホスト名:/FreeBSDが/置いてある/ディレクトリへの/フルパス名     |
    | というフォーマットである必要があります.                             |
    | +-----------------------------------------------------------------+ |
    | |                                                                 | |
    +-+-----------------------------------------------------------------+-+
    |                       [  OK  ]       Cancel                         |
    +---------------------------------------------------------------------+

と表示されるので、サーバ名とサーバ上のディレクトリ名を、
hostname:/directory/name
という形式で入力してください。すると、ネットワークの設定に移りますので、 FTP のところの記述を参考にして設定してください。

4.8.3. ファイルシステムの選択

メディアに「ファイルシステム」を選択すると、

      +---------------------- 回答を入力して下さい ----------------------+
      | FreeBSD の配布ファイルが置いてあるディレクトリへの完全なパス名を |
      | 入力して下さい:                                                  |
      | +--------------------------------------------------------------+ |
      | |                                                              | |
      +-+--------------------------------------------------------------+-+
      |                      [  OK  ]       Cancel                       |
      +------------------------------------------------------------------+

と表示されるので、配布ファイルのあるディレクトリ名を入力してください。ただ し、選択できるのは、領域確保の際に 'X' をつけたドライブの中で、ディスクラ ベルの設定の時にマウントポイントを設定したディレクトリです。もし、 FreeBSD(98) のパーティションの /freebsd というディレクトリで、そこが /.u1 にマウントされているのであれば、
/.u1/freebsd
と入力してください。

4.9. インストールの実行

メディアの選択まで終了すると以下のメッセージが表示されます。

    +-------------------------- 確認して下さい ---------------------------+
    | これが最後のチャンスです! あなたは「本当に」インストールを継続し    |
    | たいのですか? もしすでに何らかのデータが存在しているディスクに対し  |
    | てこれを実行したいのであれば, 「インストール前に正しいバックアップ  |
    | を作っておくということを我々は強く勧めます!」                       |
    |                                                                     |
    | 我々はディスクの内容の消失に関しては何ら責任をとることはできません! |
    +---------------------------------------------------------------------+
    |                        [ Yes ]         No                           |
    +---------------------------------------------------------------------+

これまでの設定内容が正しいかどうか確認してください。もし、やり直すのであれ ば、これが最後のチャンスです。ディスクの内容をすべて破壊する可能性があるの で、十分注意してください。問題がなければリターンキーを押してください。指定 したメディアからインストールを行ないます。

もし、NFS や FTP あるいは CD-ROM を指定している場合、FreeBSD(98) 用の配布 ファイルがインストーラの期待する位置とは異なるディレクトリに存在する場合が あります。

(例えば 98bin.aa を 98bin/98bin.aa というパス名で捜しますが、Walnut Creek の CD-ROM からインストールするような場合はそんなディレクトリはありませんね。) そのような場合、まず、

                  +---------------- Message -----------------+
                  |ファイル 98bin/98bin.aa を読み込めません  |
                  |I/O error: メディアを再初期化しています.  |
                  +----------------------------------(100%)--+
                  |               [  OK  ]                   |
                  +-------[ Press return to continue ]-------+

と表示されます。これは、98bin.aa が見つからなかったことを表しています。リ ターンキーを押すと、

     +----------------------------- Message ------------------------------+
     |root ファイルシステム上にリンクすべきカーネルイメージがありません.  |
     |このシステムをハードディスクからブートできるようにするのは結構大変  |
     |でしょう. 心配です!                                                 |
     +------------------------------------------------------------(100%)--+
     |                            [  OK  ]                                |
     +--------------------[ Press return to continue ]--------------------+

     +----------------------------- Message -----------------------------+
     |いくつかエラーがありましたが, インストールは完了しました. VTY1 上  |
     |のデバッグメッセージを vf・3 の機能を使用して読んで下さい. また,   |
     |次のプロンプトで "No" を選択すれば, インストールメニューに戻って,  |
     |再度失敗した操作をやり直すことができます.                          |
     +-----------------------------------------------------------(100%)--+
     |                           [  OK  ]                                |
     +-------------------[ Press return to continue ]--------------------+

と表示されるので、それぞれでリターンキーを押すとメインメニューに戻ります。 今度は「C カスタム」を選択し

(図) カスタムインストレーションオプションの選択

「5 配布ファイル」を選択します。「5 配布ファイル」のメニューから「B カスタ ム」を選択すると

(図) インストールする配布ファイルの選択

と表示されるので「98bin」をマークします。リターンキーを押すと戻るので「6 メディア」を選択します。98bin を含むメディアを選択して戻り、「7 コミット」 を選択してください。

「7 フロッピー」を選択した場合は

            +---------------------- Message -----------------------+
            |floppy drive unit A に次のフロッピーを入れてください  |
            +----------------------------------------------(100%)--+
            |                     [  OK  ]                         |
            +-------------[ Press return to continue ]-------------+

と表示されるので 98bin を入れたフロッピをドライブに入れてリターンを入れま す。

以上のようにして、「S 標準」ですべてのファイルがインストールされると

    +------------------------------ Message -------------------------------+
    |おめでとうございます! あなたのシステムには FreeBSD がインストール     |
    |されました. これから最後の設定に関する質問に移行します. 特別な設定を  |
    |したくない設定オプションに関しては, 単に No を選択して下さい.         |
    |                                                                      |
    |もしシステムが立ち上がってからこのユーティリティに再度入りたい時は,   |
    |/stand/sysinstall と打って下さい.                                     |
    +--------------------------------------------------------------(100%)--+
    |                             [  OK  ]                                 |
    +---------------------[ Press return to continue ]---------------------+

と表示されます。「5. FreeBSD(98) の設定」に従って必要な設定を行ってくださ い。

「C カスタム」でやりなおさなければならなかった場合は

     +----------------------------- Message -----------------------------+
     |いくつかエラーがありましたが, インストールは完了しました. VTY1 上  |
     |のデバッグメッセージを vf・3 の機能を使用して読んで下さい. また,   |
     |次のプロンプトで "No" を選択すれば, インストールメニューに戻って,  |
     |再度失敗した操作をやり直すことができます.                          |
     +-----------------------------------------------------------(100%)--+
     |                           [  OK  ]                                |
     +-------------------[ Press return to continue ]--------------------+

に続いて、リターンキーを押すと

      +------------------------ 確認して下さい -------------------------+
      | 未設定のオプション設定のために, 総合設定メニューに移動しますか? |
      +-----------------------------------------------------------------+
      |                      [ Yes ]         No                         |
      +-----------------------------------------------------------------+

と表示されます。この場合も以下を参考にして必要な設定を行ってください。


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$Date: 2004/05/31 14:33:31 $